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新たな石垣(4月22日)

4/22(月) 9:33配信

福島民報

 白河市の小峰城を訪れた女性グループの一人は石垣をなで、しみじみとつぶやいた。「やっと全部直ったんだね」。城の歴史を解説するツーリズムガイド白河のボランティアの声が、いつもより軽やかに聞こえる。

 東日本大震災で崩落した石垣の修復が八年を経て三月に終わり、初めて花の季節を迎えた。四月半ばには城内の桜が開花した。詰め掛けた観光客が、那須連峰の残雪を背景に咲く薄紅色の優美な姿をめで、写真に収めた。

 復旧のため全国から集まった専門家は、膨大な作業量になると見通した。二の丸には、野戦病院に収容された負傷兵のように、石一つ一つが横たえられ、積み直すための番号がつけられた。訪れた人々が見守る中、整備は少しずつ、しかし着実に進んだ。城内に入れる機会も増えていった。二十一日、市が修復完了を宣言した。

 ♪二つとせ 二人寄り添う小峰城 月もおぼろの春霞[はるがすみ]-。白河高伝統「数え歌」の歌詞にある。現在の城は初代白河藩主の丹羽長重が大改修してできた。平成の今、傷ついた姿の復元には市民の熱意が大きな支えとなった。「お城山」で過ごした楽しい記憶を共有する人々が、力を合わせた偉業である。

最終更新:4/22(月) 9:33
福島民報

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