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<北朝鮮内部>人民軍の高級将校40歳、その悲しすぎる薄給と冷遇 収入は女子中学生バイトの10分の1

4/22(月) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

◆40歳少佐の月給はたった111円

朝鮮人民軍の将校は職業軍人で、結婚して家庭を持つことができる。軍将校は、若い女性の結婚希望相手として花形の職業だった。

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だがそれも遠い昔の話だ。今では、「将校とは結婚するな。苦労する」と言われるほど、女性たちの間で忌避する傾向が強まった。待遇が極端に悪化したためである。

2019年2月から、アジアプレスの北朝鮮に住む取材協力チームは、人民軍将校などの公務員の給与と食糧配給の実態について調査した。北朝鮮の公務員の月給は国が定める規定がある。つまり国定給与だ。

さて、実際の人民軍将校の待遇はどうなのか。階級によって差があるので、年齢40歳程度の少佐クラスについて調べてみた。以下は取材協力者の調査である。

少佐クラスの国定の月給は約8500ウォン(約111円)。食糧配給は、本人分が白米で100%出ているが、家族の分は出たり出なかったりだった。副食や衣料品、日常消費物資の配給は皆無だが、金日成、金正日の誕生日などの祝日の特別配給には、酒や食用油、豚肉などが支給される。

月給8500ウォンは、北朝鮮でもも安い。市場でコメを2キロ買えばなくなってしまう。都市部の市場の片隅や駅前で、女子中学生がモヤシ売りをして二日もあれば稼いでしまう額だ。

国定給与は、生活物資の配給が存在することを前提として定められたが、1990年代以降、実質的に停止したままである。国定給与は、消費生活には意味をなさない形式に過ぎないのだ。あてにする人もいないという。

◆横行する将校の横領と士気低下
それでは、将校はどうやって暮らしているのか? 調査した取材協力者は次のように言う。
 
「妻が市場で商売をして家計を支えなくてはやっていけない。本来、将校の家族の商行為は厳禁されているが背に腹は代えられない。それから一般兵士の親からの心づけも大事な収入になっている」

北朝鮮の男子の場合、満17歳で高級中学を卒業すると、進学するか病弱でない限り10年間の軍服務が義務づけられている(女子は選抜制で5~6年)。ところが、軍の食事事情が極めて劣悪なため、入隊すると栄養失調になる者が続出する。息子・娘が心配な親たちは、部隊を訪ねて食べ物を差し入れたり、送金したりする。その際、便宜をはかってもらうために将校に金品を渡すのだ。

構造的に深刻なのは、将校ら幹部による軍の備品や食糧の横領、横流しだ。軍用のガソリンや軽油、兵士向けの食糧、その他の備品を業者に横流しする。

「最近、将校たちの間で不満が大きいのは住宅問題だ」と、取材した協力者は言う。一般兵から将校になったり、部隊配置が変わって移動したりする場合、本来は軍が住宅を手当てしなければならないのだが、数年待たされることも珍しくないという。待機期間中は、赤の他人と一つの家を間仕切りして使う「同居」をしなければならない。

このような将校の待遇悪化が、軍の規律の緩みや不正、士気の低下を招くのは当然だ。国と「革命の首脳部」(金正恩氏)を命懸けで守ることを求められながら、その待遇が、市場でうまく立ち回る人たちに遠く及ばない現実があるからだ。(石丸次郎)

最終更新:4/22(月) 9:14
アジアプレス・ネットワーク

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