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「若山牧水歌集」染まずただよふ旅人 下界へのあこがれと望郷と【あの名作その時代シリーズ】

4/23(火) 20:00配信 有料

西日本新聞

若山牧水の母校、坪谷小学校でも毎朝、正面玄関で児童たちが、牧水の歌を詠んでいる=宮崎県日向市東郷町

 「あの名作その時代」は、九州を舞台とした作品、または九州人が書いた著作で、次代に残すべき100冊を選び、著者像や時代背景、今日的な意味を考えながら紹介するシリーズです。西日本新聞で「九州の100冊」(2006~08年)として連載したもので、この記事は06年5月14日付のものです。

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 朝、集団登校する子どもたちは、学校玄関の前で立ち止まり、声をそろえて朗詠する。

 若竹の伸びゆくごとく子ども等よ真直ぐにのばせ身をたましひを…

 宮崎県日向市東郷町内の小学校五校では、登校時、若山牧水の歌を詠む。二十年ほど前から受け継がれてきたその節回しは、学校によって微妙に異なっているのだそうだ。

 「今日も一日楽しく過ごそうって気持ちになります」。ランドセルの児童がそう言う。ここ東郷小学校でも、それは毎朝のあいさつ代わり。牧水の歌の心が、子どもたちの心に溶け込んでいるようだった。

 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ

 「どの歌も子どもたちは明るい声で詠んでいますよ」とは、圖師(ずし)宗忠教頭(46)。秋の夜の哀愁も子どもたちにかかれば、春の朝のさわやかさに変わるのだった。

 幾山河越えさり行かば寂しさの終(は)てなむ国ぞ今日も旅ゆく

 旅をこよなく愛した歌人若山牧水。「旅ゆく」牧水は何を思い、何を求めていたのだろうか。彼の故郷、東郷町を訪ねた。生家がある坪谷地区を牧水は次のように書いている。 本文:2,296文字 写真:1枚

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西日本新聞

最終更新:4/23(火) 20:00
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