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日本が生んだ計測の技術 前回東京オリンピックで採用、クレームゼロ 同じタイムなのに銀と銅なぜ?

4/23(火) 7:10配信

withnews

2020年東京五輪・パラリンピックの開催を控え、アスリートだけではなくさまざまな裏方も奮い立っています。熱戦を支える一役を担うのが、世界に先駆けて日本が生んだ「計測」のプロたちの技。タイムを瞬時に判定する自動計測システムの原型は、1964年の前回東京五輪から始まりました。「Made in Japan」が世界基準となって半世紀余。脈々と受け継がれた信頼の技は、進化を重ねながら世界各地でアスリートたちのドラマを引き立てています。(朝日新聞映像報道部・池田良)

【貴重写真】まるでチューチュートレイン!?昔はこんな風にしてタイムを計っていた

同じ10秒00なのに銀と銅

昨夏、インドネシアで開かれたアジア最大のスポーツの祭典「アジア大会」では、陸上男子100メートルで山県亮太選手が自己タイ記録となる10秒00をたたき出し、銅メダルを獲得しました。ところが、銀メダルとなったカタール人選手の記録も10秒00でした。同タイムなのに、なぜでしょうか。

公式記録は100分の1秒単位で発表されます。ただ、こうした同タイム時の場合に限って実施される着差判定は、さらに1千分の1秒単位まで精緻に計測した数値が使われるのです。

このレースでは着差判定の結果、カタール人選手が「9秒995」で、山県選手は「9秒997」。その差は、距離にしてわずか「2センチ」でした。トラックを後にする山県選手の悔しそうな表情が忘れられません。

ボルトの世界記録を目の当たりに

「コンマ何秒、何センチの差で、選手は世界が変わるんですよね」。時計メーカーのセイコーホールディングス(HD)で長く大会の公式計時に携わる梶原弘さんが話します。

同社はこれまで6回の五輪・パラリンピックと、15回の世界選手権で公式計時を担当し、「世界最速」を計測した実績があります。

梶原さんが担当した09年のベルリン世界選手権決勝では、引退したジャマイカのウサイン・ボルト選手が100メートル9秒58の驚異的な世界記録を樹立。スタンドは大歓声に包まれました。「タイムは刹那のドラマだと体感しました」と梶原さんは振り返ります。「記録は単なる数字ではなく、アスリートの魂と感動を与えるものだと思います」

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最終更新:4/23(火) 9:38
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