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【世界から】ドイツ 「四旬節」に節制するものとは

4/23(火) 16:22配信

47NEWS

 ドイツの人々はつい先日まで「四旬節」と呼ばれる特別な期間を過ごしていた。「四旬節」とは、キリストの復活を祝う「復活祭」の46日前にあたる「灰の水曜日」と呼ばれる日から、復活祭前日の「聖土曜日」までの期間である。ちなみに、読みは「しじゅんせつ」だ。

 復活祭は「春分の日から数えて、最初の満月の次に来る日曜日」で、3月22日から4月25日までのいずれかの日曜日がそれにあたる。今年は4月21日で、「灰の水曜日」は3月6日、「聖土曜日」は20日だった。

 キリスト教徒はかつて、この期間に食事を節制していた。ドイツでは今も、この断食期間に何らかの節制をする人が多い。調査機関の調べでは、ドイツ人の約10%が、四旬節に肉や砂糖、あるいはテレビや携帯電話など、少なくとも何か一つを断っているという。その筆頭がアルコールだ。筆者の友人にも、この時期に禁酒する人がいる。

 世界保健機関(WHO)が毎年まとめている「世界保健統計」の中に、「15歳以上1人当たりの年間純粋アルコール消費量」という項目がある。それによると、ヨーロッパ地域の消費量が多く、ドイツ人は年間11・3リットル。日本人は平均並みの6・9リットルだった。ドイツでは16歳からビールとワインを(親が同伴する席では14歳から)、18歳からウオッカやブランデーなどの蒸留酒を飲むことが許されている。日常生活でも、社交の場でもアルコールを摂取する機会は多い。

 しかし、食事と同じ様にアルコールにも適量がある。女性ならビール1杯(およそ250ミリリットル)かワイン1杯(同100ミリリットル)、男性はその倍量が1日分だ。加えて、週に2日以上禁酒日を設け、年に一度、数週間にわたって禁酒を実践することが理想とされている。伝統的なキリスト教の風習は、アルコール摂取量をコントロールする絶好の機会を提供しているわけだ。

▼依存症は治癒困難

 アルコールを習慣的に飲む人は、依存症になるリスクが高くなるという報告がある。ドイツの国内統計によると、人口約8300万人のうち、950万人が、リスクが高まるとされる量を超えるアルコールを消費しているという。アルコール依存症患者は約170万人に達しているものの、治療を受けているのはそのうちのおよそ10%に過ぎない。

 専門医によると、アルコール依存症は、10年、20年という長期にわたって、ゆっくりと進行するそうだ。適量を消費していたはずが、徐々に健康や生活のクオリティーをむしばむようになり、やがてコントロールがきかなくなる。治療には薬物依存症と同様に専門知識が必要だ。病が進行している場合は自分の意志では治すことができないのである。

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最終更新:4/23(火) 16:22
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