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阪神は単独最下位へ転落 直面する高校球児からの総スカン

4/23(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 平成最後の“伝統の一戦”は、絶望だけを残して幕を閉じた。

 阪神が本拠地・甲子園で行われた21日の巨人戦で2試合連続の零封負けを喫して3連敗。単独最下位に転落した矢野燿大監督(50)は「監督としてのオレの責任は大きい」と自分を責めた。

 四回に遊撃・木浪の野選に二塁・糸原の悪送球が絡んで先制点を献上すると、五回には攻撃でもミスが出た。1死二塁と同点の好機をつくりながら、二塁走者の陽川が木浪の投ゴロで飛び出した揚げ句に挟殺プレーで憤死。九回に失った致命的な3点目も捕手・梅野の悪送球でピンチを広げ、最後はドリスの暴投によるものだった。

 阪神OBもこう嘆く。

「3失策に記録に残らないミスも続出するヒドイ試合やった。これで、開幕から巨人に6連敗。すべて先制点を許し、一度も主導権を握れないままほとんど一方的にやられとる。加えて問題になっているのが、本拠地甲子園での弱さや。開幕から9試合で2勝7敗。昨年も阪神は甲子園で21勝39敗(2分け)の借金18と惨敗して、これが金本(前監督)の事実上の解任の引き金を引いたといわれとる。主催試合の観客動員が前年から13万人超も減ったことで、球団が既定路線としていた金本の続投を阪神電鉄本社がひっくり返したというわけや。巨人戦と甲子園で結果を出さんことには、1年目とはいえ矢野監督に対する風当たりもどんどん強くなる」

■288人中たった30人

 不甲斐ない試合を繰り返せば、ソッポを向くのはファンだけではない。2005年以来、13年間も優勝から遠ざかり、昨季は17年ぶりの最下位に沈んだ阪神は今、アマチュアのドラフト候補生からも、見向きもされなくなりつつある。

 先日の春のセンバツ甲子園を特集したベースボール・マガジン社の別冊春季号を見れば、危機的な現実がよくわかる。出場32校のベンチ入り全選手にさまざまなアンケートをとっているのだが、「好きな球団」という設問に「阪神」と答えた選手はごくわずか。各校のレギュラー9人、計288人を調べただけでも、たった30人しかいないのだ。お膝元の関西圏から出場した6校のレギュラー選手を見ても、阪神を好きな球団に挙げたのは、54人中14人だけだった。ちなみに、今秋ドラフトで上位指名が確実視され、投手の「高校四天王」と言われる奥川恭伸(石川・星稜)は楽天、及川雅貴(神奈川・横浜)はロッテと答えた。

 言うまでもなく、プロ野球の球団にとってドラフトはチームづくりの根幹を成すもの。アマチュア選手からの不人気は死活問題になる。メディアは“伝統の一戦”などと巨人―阪神戦を特別視するが、高校球児にとっては過去の遺物になりつつあるのではないか。

 そんなアマチュア選手の阪神離れの原因を、元球団社長の野崎勝義氏がこう看破する。

「最たる原因は育成がヘタという点でしょう。いい例が藤浪(晋太郎=25)です。入団から3年連続で2ケタ勝った逸材を、きちんと育てられない。育てるというよりチヤホヤして、甘やかしたように思う。いまの高校生は、あれだけの選手でも潰されてしまう、と感じてますよ。トレードで他球団に移籍した選手が新天地で活躍するケースが多いのも、阪神では実力が伸びないからでしょう。榎田(現西武)しかり、赤松(現広島)しかり、高浜(現ロッテ)しかりです。しばらく自前の4番打者が育たないことも含め、これは親会社やフロント、つまり球団の組織や風土に問題があるからです。監督を代えてどうにかなる問題ではありません。連れてきた監督に丸投げ、フロントが責任を取らないというスタンスではチームは変わりません。フロントが優秀なスカウトやコーチを他球団から連れてくるとか、現場と一体になって監督をバックアップしないと。勝てないから監督を代え、あとは監督任せというのでは、いつになってもいい選手は育たないと思いますね」

 まったくだ。高校生としては史上最速の163キロをマークし、メジャーからも「世界一の高校生右腕」と注目される佐々木朗希(岩手・大船渡)も阪神からの熱視線は複雑ではないか。いずれにしろ、今年も最下位に沈むようなら、令和の世では“伝統の一戦”など死語になる。

最終更新:4/23(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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