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FA市場の大物が売れ残る背景…“格下”より低い金額を拒否

4/23(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【メジャーリーグ通信】

 開幕から1カ月が経過したが、オフのFA市場で売れ残った超大物ダラス・カイクル(前アストロズ)とクレイグ・キンブレル(前レッドソックス)の所属先が決まっていない。

 カイクルは15年のサイ・ヤング賞投手。キンブレルは現役最多の333セーブをマークしている大クローザーである。年齢もまだ31歳と30歳でこれといった故障もない。それなのに失業状態に陥った第1の要因は、ビッグネームとはいえ、ピークは3、4年前までで商品価値が下落しているのに、格下の投手より低い額の契約になるのは嫌だという気持ちが強過ぎたことだ。

 カイクルがこだわったのは、今回のFA市場に出た先発投手の中で最高額の契約をゲットすることだった。オフの早い時期にパトリック・コービンが6年1億3000万ドルでナショナルズと契約し、それ以上の額にこだわった。

 キンブレルも格下であるチャップマンの5年8600万ドル(リリーフ投手の史上最高額)以上の金額で契約することにこだわったことが、そもそもの失敗だった。

 浪人となった第2の要因はFA市場に大金をつぎ込んでも投資に見合った成果を得られないと考えるGMが多くなり、ストーブリーグ終盤になるとFA市場の売れ残りにソッポを向き、自軍の主力選手や成長著しい若手との割安な年俸による長期契約に注力するようになったからだ。そのためカイクルとキンブレルが、3月になって希望価格を大幅に値下げしても敏感に反応するGMはいなかった。

 そこでカイクルとキンブレルは開幕後まで待つことにした。例年、開幕早々、エース級やクローザーが故障で長期離脱する球団がいくつか出るので、その中からオファーをよこす球団が出ると確信したのだ。

■ドラフト1巡目指名権

 その読みは当たり、今季はブレーブスとブルワーズが開幕早々クローザー不在になり、キンブレル獲得を検討し出した。すぐに決まらないのはキンブレルがAランクのFA選手であるため、獲得球団はドラフト1巡目指名権を旧球団(レッドソックス)に差し出さないといけないからだ。

 この2つの球団は育成力があり、これまで1巡目指名選手を何人もエース級に育てた実績がある。簡単に捨てられるものではないのだ。しかし、どちらも優勝を争う球団で、キンブレル獲得に傾いているように見えるので、契約先は数日中に決まるとみられている。

 カイクルの場合は、まだ大きなニーズが生じていないので、もう少し時間がかかりそうだ。下手をすると6月上旬のドラフト終了後まで待つ羽目になるかもしれない。獲得に興味を示している球団は複数あるが、どこも1巡目指名権を失いたくないため、動くとしてもドラフト終了後と考えているからだ。 (スポーツライター・友成那智=隔週月曜掲載)

最終更新:4/23(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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