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桐生祥秀アジア制覇!9月世界陸上の会場で日本勢初の男子100メートル金メダル

4/24(水) 6:05配信

スポーツ報知

◆陸上 アジア選手権第2日(22日・ドーハ)

 男子100メートル決勝で、日本記録保持者の桐生祥秀(23)=日本生命=が10秒10(追い風1・5メートル)で優勝し、アジア選手権の同種目で日本勢初となる金メダルに輝いた。日本代表として出場の主要国際大会では自身初の個人タイトル。世界ランキングのポイント加算対象となる大会で好走し、ドーハ世界陸上(9月)の代表争いでもリードした。準決勝を10秒18で通過した山県亮太(26)=セイコー=は、右太もも違和感のため、大事を取って決勝を棄権した。

 桐生は殻を破った。「今年は違う。一番になれて良かった」と、日本代表で日の丸を付け個人種目でつかんだ初優勝の大きさを強調した。序盤はやや出遅れたが、中盤以降でスッと伸びてゾーリ(インドネシア)を0秒03、距離にして30センチの僅差で逆転した。日本に今大会初の金メダルをもたらし「タイトルを取れたのがでかい」と破顔した。

 大舞台では決まって悪癖が顔を出した。競ると力んで肩が上がり、走りが崩れる。17年ロンドン世陸、18年アジア大会は選考会の日本選手権を勝てず代表権を逃した。日本人初の9秒台をたたき出した走力を、強さに結び付けないと―。今年はメンタルトレーニングを初導入。「自分に集中できているのが大きい。(これまで)口では言ってたが、実践できていなかった」。土江寛裕コーチ(44)も「勝つのが一番の目標。(序盤出遅れは)世界大会では命取り。まだ磨ける部分はある」と背中を押した。

 闘争本能を見失うほど、苦しんでいた。春先から調子が上がらなかった社会人1年目の昨季、ダイヤモンドリーグ(DL)・ラバト大会(モロッコ)。コールマン(米国)が9秒98で制した一戦で、10秒20の7位に沈んだ。桐生は後藤勤トレーナーに思いを明かした。「悔しくないんスよね。何なんスかね」。湧き上がるはずの反骨心がなかった。

 学生ならそれでもいいかもしれないが、社会人の今は陸上が職業だ。結果が求められる。その5日後には、スイスの国際大会で18年季最高の10秒10を出した。土江コーチは「社会人1年目でうまくいかなかったのが、いいプレッシャーになった。今まで以上に究極を突き詰めている」。今季は3月に豪州で迎えた初戦で10秒08の好記録。今大会の金。所属先の看板を背負って走る責任感を力に変える強さを身に付けつつある。

 今秋のドーハ世陸と同じハリファのスタジアムで好走した意義は大きい。今大会は世界ランキングの格付けが高く、算出ポイントも大きく加算。世陸代表選考争いで優位に立ち、同じく世界ランクが関わる20年東京五輪切符争いでも一歩前進した。次戦は自国開催の世界リレー(5月11~12日、横浜)。山県や、出雲陸上で左太ももがけいれんしたケンブリッジ飛鳥(25)=ナイキ=ら主力が不安を抱える“リレー侍”でエースの活躍が期待される。「レースの中でちょっと成長できているかなと思う」。自覚も手応えも、今の桐生にはある。

 ◆陸上の世界ランキング 記録のポイントと、大会の格付けに応じた順位ポイントを合計して算出する。格付けは五輪&世界陸上が最高。DLファイナルが2番手、3番手には世界室内選手権やDL各大会などが続き、4番手に今大会などのエリア別選手権が位置づけられる。男子100メートルは5レース分の平均ポイントで算出。

 ◆アジア選手権 2年ごとに開催。これまでは日程の兼ね合いなどから有力勢は参加を見送っていたが、今大会は20年東京五輪出場権を争う世界ランキングのポイント対象となり、有力選手がエントリーした。優勝者は世界陸上の出場資格を満たすが、当該選手を派遣するかどうかは各国・地域陸連の判断に任されている。日本は日本選手権(6月、福岡)優勝がドーハ世陸代表内定条件とされ、桐生も同大会での出場権確保を目指す。優勝以外の選手は世界ランキングを考慮し選考される。

最終更新:5/14(火) 8:51
スポーツ報知

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