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「台湾のトランプ」の野望 ―ホンハイ・郭会長が総統選に出馬へ。選挙は“視界ゼロ”の大波乱

4/23(火) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「iPhoneをつくった男が台湾総統選へ ― 女神のお告げ」

ニューヨークタイムズ(4月17日付電子版)の見出しである。

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その「男」とは鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)会長(68)。シャープを買収した「台湾企業トップ」と言ったほうが通りはいいだろう。台湾の町工場を、世界で従業員125万人を超える巨大企業に育てた男。そのワンマン経営スタイルから「台湾のトランプ」とも呼ばれる彼の出馬表明で、総統選挙情勢は“視界ゼロ”の大波乱に陥っている。

台湾一の個人資産

出馬報道を見て「やっぱりね」と思った台湾人は少なくない。トランプ氏が2016年11月に米大統領選で勝利すると、郭氏は総統選出馬に意欲を漏らしたと言われていたからだ。

彼はトランプ氏が大統領に当選後に、アメリカの液晶パネル工場への投資計画を発表。その後、ホワイトハウスでトランプ氏と面談し、2019年2月にウィスコンシン州で行われた工場起工式では、トランプ大統領が自ら「鍬入れ式」に参加した。

トランプ氏だけでなく中国トップの習近平・国家主席とも30年来の「親交」があるという郭台銘とは、いったいどんな人物か。

彼は1950年、警察官の父のもと、台北市郊外で生まれた。大学卒業後の1974年、母親から借りた10万新台湾元(36万円)を元手に、従業員10人のプラスチック部品工場を立ち上げた。中国の改革開放政策が進む1988年には、深センに中国大陸初の工場を開設、これが鴻海グループの基礎になった。

鴻海の主力業務は、スマートフォンや薄型テレビなど電子機器の受託生産。こうした生産受託をするEMS企業としては世界最大手であり、グループには群創光電やシャープなどを抱える。台湾に本社を置くグループの売上高は15兆円とも言われる。

鴻海の名前を一躍世に知らしめたのがiPhoneの生産受注だ。日本製品ではソニーや任天堂、ソフトバンクのものも手掛け、孫正義氏とも親交がある。台湾企業のトップといっても、今は活動の中心を深センに置き、シャープはじめ世界の傘下企業に指令を出す毎日だ。

米誌フォーブスの最新調査では、個人資産は73億ドル(約8170億円)と台湾ではトップで、世界でも257位。

トランプ氏同様、「郭会長の命令は絶対」というワンマン経営。決断は速いが、次々と前言を翻す独善ぶりには反発も根強い。出馬に伴い、「経営の一線を退く」と話している。

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最終更新:4/23(火) 12:10
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