ここから本文です

帝王切開で生まれた乳児、腸内「善玉菌」の組成が遅い傾向 研究

4/23(火) 14:47配信

The Guardian

【記者:Nicola Davis】
 帝王切開で生まれた乳児は経膣分娩の乳児に比べ、特定の腸内「善玉菌」の組成が遅く、潜在的に有害な細菌を保持する傾向も高いことが、最新の研究で明らかになった。研究結果はオランダ・アムステルダムで開催された欧州臨床微生物学・感染症学会議で発表された。

 研究は100人以上の乳児を対象に実施された。この結果、経膣分娩で生まれた乳児と帝王切開で生まれた乳児の腸内細菌叢(そう)の組成が大幅に異なっている他、帝王切開で生まれた乳児は呼吸器系の感染症にかかる危険性が高いことも分かった。このような違いは乳児の成長とともに減少するという。

 過去の研究でも分娩方法が乳児の腸内細菌叢に影響を与えることが示されていたものの、帝王切開で母親に抗生物質が投与されることが多いことが理由ではないかと考える研究者もいた。だが、今回の研究で、分娩方法の違いが乳児の腸内細菌叢の明確な違いを生むことが示された。

 研究者らは、帝王切開で生まれた乳児46人と経膣分娩で生まれた乳児74人の便を、誕生後初めての便から1年間で10回採取し、腸内細菌の組成を調べた。

 研究者らは、抗生物質は出産後の母親に、必要な場合にのみ投与されるため、乳児は抗生物質の直接的な影響は受けないと指摘している。また、母親と乳児双方の便を分析したところ、帝王切開で生まれた乳児は経膣分娩で生まれた乳児に比べ、母乳や人工乳を消化するのに重要な役割を果たす特定の「善玉菌」の組成が遅く、潜在的に有害な細菌の水準も高かったことも分かった。

 オランダの研究者らと共に研究に携わったエディンバラ大学のデビー・ボガート教授は「分娩方法が乳児の腸内細菌を促進したり、修正したりする上での重要な要因であることが証明できたと考える」と説明した。

 また、ボガート氏は、出産後に母親に投与された抗生物質は、母親自身の腸内細菌叢にも影響を与えていないことも裏付けられたと付け加えた。人工乳だけで育てられた乳児でも、帝王切開と経膣分娩では腸内細菌叢に違いがあることから、母乳を通じて抗生物質を乳児が摂取したためこのような違いが起こったわけではないという。

 潜在的に有害な腸内細菌を多く持つ乳児は呼吸器感染症にかかる危険も高かった。これは帝王切開で生まれた乳児の方が呼吸器感染症の危険が高いとの過去の研究結果を裏付けるものであるとボガート氏は述べた。【翻訳編集:AFPBB News】

「ガーディアン」とは:
1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

最終更新:4/23(火) 20:38
The Guardian

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事