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【平成の事件】警官「シャブ抜き」で事件隠蔽、主犯は本部長 神奈川県警不祥事対応で異例人事

4/23(火) 10:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

本部長の命令とは

 有罪となった当時の幹部らは公判などで、事件をもみ消す渡辺の方針が不本意であったと口々に語ったが、当時は誰一人、いさめることはなかった。「40年間の勤務で、上司の命令・指示に服従する習性が身についており、正しい判断ができない状態になっていた」「組織の一員として逆らえなかった。勇気と決断がなかった。部下の人事や(自身の)部門の組織への影響を危惧した」などと悔やんだ。

 金高は捜査の過程で、神奈川県警で事件に関与した主要な人物に会った。直接相対し、当時や現在の心境などを尋ねた。「皆さん、やってしまったことは大変なことなので後悔していたが、上からの命令だったので、非常に複雑な胸中だったと感じた。自分が動かなければ、こんなことにはならなかった、自分は組織の中で本当はどうすべきだったのかなどと、非常に複雑な思いを持っていた」

 未曽有の組織犯罪摘発から20年。県警不祥事への対応に奔走した後、警察組織の中枢を歩み、警察庁長官も務めた金高は今、あの事件をどう振り返るのか。

 「1人の一言で数十人が動く完全な組織犯罪だった。それだけ本部長の判断、命令は重い。絶対に正しくなくてはならないと痛切に感じたが、本部長を支える部長クラスが何で声を上げないのかと思った。でも、本部長の命令というのは、重いんですよ。本部長命令には、命懸けの命令もある。そういう人は、絶対に違法なことを命じてはいかんのです」

 =肩書は当時、敬称略

連載「平成の事件」
 この記事は神奈川新聞社とYahoo!ニュースの共同企画による連載記事です。「平成」という時代が終わる節目に、事件を通して社会がどのように変わったかを探ります。4月8日から計10本を公開します。

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最終更新:4/23(火) 16:01
カナロコ by 神奈川新聞

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