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パン製造小売の売上高合計、17年度は大手の苦戦で前年度比微減

4/23(火) 16:33配信

帝国データバンク

増収率は前年度比4.2ポイント減

 2017年度に「増収」となったパン製造小売業者の比率を見ると17.3%(103社)となり、前年度から4.2ポイント減少した。一方「減収」比率は21.7%(129社)で、前年度の19.2%(114社)から2.5ポイント増加した。2017年度において「増収」以外の「横ばい」・「減収」の合計は構成比82.6%(491社)に達し、8割超が増収を果せずにいる現状が明らかとなった。

社数トップは関東だが、「西高東低」の傾向

 756社を地域別に見ると、「関東」が223社(構成比29.5%)で最多。以下、「中部」「九州」の各88社(同11.6%)、「近畿」が85社(同11.2%)と続く。“西高東低”なパン消費と同様な傾向にあることが判明した。

 都道府県別では、「東京都」が77社で最多。以下、「神奈川県」の48社、「北海道」の40社と続く。「北海道」は小麦の生産量がトップのため、材料調達の容易さとの関連性が考えられ、「大阪」を抑えて3位となった。

増収企業はイオンベーカリー、川島屋など

 2017年度決算の主な売上高上位企業を見ると、8社中6社が前年度比で減収となり、軒並み業績が芳しくない様子がうかがえる。背景には、旗艦店の閉鎖や同業者との競争激化、天候不順による客足減少などが要因として挙げられる。

 上位企業の中で増収となったのは、イオンベーカリー(株)(前年度比0.1%増)と(株)川島屋(前年度比6.4%増)で、(株)川島屋は主力のパン事業部門において、好みの具材を選ぶ「カスタムコッペ」を充実させる等の取り組みが好評となり売り上げに貢献した。

国内パン市場が成熟するなか、大手の苦戦目立つ

 国内パン市場が成熟するなか、2017年度のパン製造小売業者の売上高合計は、2814億5800万円(前年度比1.2%減)となった。背景には、店舗閉鎖や同業者との競争激化、天候不順などによる大手業者の苦戦が挙げられる。現在、店舗改装など効率的な設備投資や、店舗ごとの採算性を検証した店舗閉鎖による収益改善のほか、利益率の高い商品の開発力強化や販売価格の見直し、人員の最適化など複合的な取り組みで、収益力の立て直しを目指している。

 また、全体の約6割を占める売上高「1億円未満」の小規模業者において、破綻や廃業を余儀なくされるケースが散見される。2019年(3月末時点)のパン製造小売業者の倒産は8件発生。前年は年間15件だったため、このペースで倒産が発生すると2年ぶりに前年を上回る可能性が高い。原材料価格の高騰や固定費負担の増加で採算が悪化。体力勝負の業界であるゆえマンパワーの確保や、後継者不足の問題など様々な課題が内包している業者も少なくない。さらに今月11日には、大阪・兵庫エリアにて手作りパンの店「Copenharvest」を約18店舗運営していた、コペンハーベスト(株)(大阪市東淀川区)が事業停止した。有名店であっただけに同業の動向へ関心が集まっている。

 他方、個性・特徴のあるパン屋が話題を呼んでいる。代表格は、素材や製法にこだわった食パンのみを売る高級食パン専門店。手土産としてのまとめ買いニーズも取り込み、全国で直営・FC店が急拡大している。しかし、限られた商品数と店舗面積ゆえに、流行の波に乗って新たに出店へ乗り出したものの、立地が悪く地域柄受け入れられずに撤退に至った業者も聞かれた。このブームが一過性のものなのか、今しばらくは動向を注視していく必要があるだろう。

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最終更新:4/23(火) 17:19
帝国データバンク

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