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まずは使ってみてほしい--コンカーが公共団体にクラウドを提供

4/23(火) 6:00配信

ZDNet Japan

 コンカーは4月19日、同社サービスの実証実験環境を10団体限定で公共機関に1年間無償提供すると発表した。実証実験では、経費精算・管理の「Concur Expense」、請求書管理の「Concur Invoice」、出張管理の「Concur Travel」を利用できるとしている。

 同社は、出張・経費管理クラウドベンダーSAP Concurの日本法人。経費精算・管理、請求書、出張管理といった間接費管理の高度化に向けてクラウドサービスを提供、国内では905社がを利用しているという。

 一方、これまで民間企業に比べ、公共機関は同社サービスの導入に慎重な様子が見られたという。その理由として営業統括本部インダストリー営業本部長の橋本祥生氏は、領収書や請求書の処理業務において公共機関は、業務の効率化よりも組織のガバナンスを重視する傾向があったと指摘する。だがテクノロジーの進化により、今ではガバナンスと業務効率化の両立は可能であるという考えのもと、同社では1月に公共機関向けのチームを立ち上げたと説明した。

 橋本氏は、地方・国家公務員が経費精算・管理の業務処理にかけている時間を金額換算すると、年間1000億円に上ると話す。一方、同社のサービスを利用した民間企業は、業務の約45%を削減したという。予想される導入効果についてこれらを考慮すると、年間で約450億円の生産性向上が見込まれると語る。現在、大分市が実証実験への参加を検討していることに加え、某私立大学は研究費管理の高度化に向け、実証実験を行う予定だと紹介した。

 公共機関での活用例には、予算管理や研究費管理、海外出張の高度化などがある。民間企業以上に厳格な予算管理が求められ、国からの補助金といった予算の使い道をリアルタイムで可視化することが要求される。このため同社は、サービスを提供することにより、公共機関は与えられた予算の中で経費を支出するためのマネジメントを高度化できると主張する。

 例えば研究費管理は、主に大学で必要とされている。大学でも補助金の使い道を報告することが義務づけられているが、請求書や領収書の管理は紙文書がベースになっており、結果として複雑なプロセスや大量の紙書類、多大な人作業を要する。これを受け同社は、最終的な報告までを一つのプラットホームで可能にするとアピールしている。

 また、公共機関では職員が海外出張する際、テロや災害などを想定し、安否を確認しなければならず、これまでは手作業で確認業務をしていたが、同社は手配状況のデジタル化により、位置情報をリアルタイムで把握できると説明。実際に、米国のジョージ・ワシントン大学では、学生の安否確認に活用されているとした。

 今回の施策では限定10団体という点に関して橋本氏は、「公共機関は調達のプロセスが非常に長く、現在のペーパーワークを本当にデジタル化できるのかという不安の声が多いため、実際にサービスを試して効果を認識してほしい」と話した。

最終更新:4/23(火) 6:00
ZDNet Japan

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