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Rocketbookを使うクラウドホワイトボード「Thinkboard X」を衝動買い

4/24(水) 12:00配信

アスキー

アナログ記述をデジタル化するアイデアは多々あるが、今回紹介するクラウドホワイトボード「Thinkboard X」はホワイトボード用マーカーの書き込みを即座にデジタル化できる。

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Rocketbookを使うクラウドホワイトボード
「Thinkboard X」を衝動買い
 アナログの筆記データとデジタルのパソコンワールドとの結びつきは、大昔のOCRの時代から接近してはまたも離れてゆくという奇妙な関係だ。文字認識の世界は膨大な研究費を注ぎ込んで99%まで到達しても、100%ではない限りは逆に極小化されたエラー箇所の発見と修正に、より多くの時間が必要となる。
 
 成功率100%でないと許せない人間の存在はその一方で、昔OCRで実現しようとした正確無比の世界とは別に、より緩いルーズなイメージの解決案を模索しはじめた。ネットワークの進化と低価格化、それにともない急激な成長を遂げたスマホの世界が実現した“緩い手書きデータのイメージとしてのデジタル化”の世界だ。
 
 今回ご紹介する製品「Thinkboard X」は、過去何度か登場しては消えて行った手書きペーパーの結果をスマホアプリで撮影(スキャン)してクラウドサーバーに保管管理する、サービスの1つだ。
 
 今回のサービスはベストセラーアプリ「Rocketbook」を使っていることが大きな特徴だ。Rocketbookは極めてよくできたクライアント&サーバーアプリで、過去、このコラムでご紹介したメモ帳サイズの「Rocketbook Everlast mini」や、電子レンジでチンしてアナログノートを何回も使用できる仕組みの「Rocketbook Wave」などで使用されている定番的アプリケーションとサービスだ。
 
 「Thinkboard X」は、以前ご紹介したサイズや消去方法の違うメモ的な商品ではなく、“クラウド型ホワイトボード”の実現を目指した商品だ。あいにく筆者が購入した商品は、一般的にイメージするホワイトボードとは異なるA4-サイズのスモールサイズ(筆記有効サイズ実測:265×190mm)だが、表面はツルツルしていて、裏面のシールを剥がして任意の場所に貼り付けて使える、まさにホワイトボードというイメージだ。
 
 付属の“Dry Erase”タイプのホワイトボードペン(黒)でThinkboard X上に記述し、付属の布で擦ることで簡単に消去できる。Thinkboard Xの左下にはQRコードが事前印刷されており、Rocketbookアプリを導入したスマホカメラを筆記済みのThinkboard Xにかざすだけで、黒枠内の筆記内容を撮影し、傾きや台形補正を施し、スマホの内部ストレージや、ユーザーの指定したメール先や登録したクラウドサービスに送ってくれる。
 
Rocketbookアプリをインストールして
送り先のクラウドサービスやファイル形式を指定
 サービスを利用するために最初にユーザが行うのは、Rocketbookアプリのスマホへのダウンロードとインストールだ。アプリを使用するためにアカウント登録をして、自分が日常的に使っているメールやクラウドサービスを選択、登録する。
 
 続いて、送り先のクラウドサービスごとに、ファイルのタイプ(PDFやJPEG)や連続したPDFとしてスキャンするかしないか、毎回送付先クラウドサービスを指定しなくてもスキャンからアップロードまでを自動化するかなどを指定できる。
 
 設定が終われば、Thinkboard Xに専用ペンでふつうにアイデアやToDo、スケジュールなど何でも自由に記述してみよう。一般的なDry Erase系のホワイトボードマーカーならカラフルなペンも使える。筆者は100円ショップで購入したカラーペンも使っている。書き終わったら、アプリを起動してカメラアイコンをタップし、Thinkboard Xにかざすだけだ。
 
 まず、アプリが自動的に読み取りエリアを見つけ出し、自動的にスキャンニングしてくれる。そして読み終えると一時的にファイリングし、次に事前設定したメールやクラウドサービスのどこに送るか確認してくる。今回は、筆者の定番クラウドストレージである「Dropbox」を指定した。
 
OCR有効+「##」で囲むとアップロード時に
連番のファイル名でアップロード可能
 何も指定しなければ、ファイルがクラウドサービスに送られる時は、アプリがシステム的に任意の番号をファイル名として付けてアップロードする。しかし、Thinkboard Xに筆記時に“##”(2個の連続する#)でファイル名にしたい文字列の始まりと終わりをくくれば、自動的にその手書きの文字列(アルファベットのみ)をファイル名にしてアップロードしてくれる。もちろん、事前にOCRを使うことを設定で指定しておく必要はある。
 
 実際に、先ほどとまったく同じ筆記データの最上段に“##”で囲んだ“ANYWHERE SENSOR”を書き加えたところ、Dropbox上でファイル名として取り扱われていることがわかる。
 
 Thinkboard Xの物理的消去は、付属の乾燥した布で軽く拭くだけ。これで見事に消し去ることが可能だ。意外と布側に黒い消しカスなどが残らないことにも驚きだった。Dry Eraseペンとホワイトボードの組み合わせと同じなので、ウェットティッシュでも同様に消去可能だった。
 
黒テープで四角形を作りQRコードを流用すると
なんと認識とスキャン、保存に成功
 さて、今回は予算の関係で2980円のSmallサイズのThinkboard Xを試しに買ってみたが、本当に欲しいのはやはり大きなThinkboard X(Largeサイズ)だ。しかし、物理サイズが61cm×91cmというラージサイズのThinkboard Xは、なんと7350円もする。これはおいそれとは衝動買いできない。しかし、かなり太めのDry Eraseペンで描くThinkboardの本当の使い勝手はこのラージサイズが理想であり、開発のターゲットだったろう。
 
 そこで今回は、誰でも考え付くチープトリックなのだが……ふとした好奇心で、Thinkboard X(Small)の左下に付いているQRコードをそのまま使い、筆者宅のダイニングテーブル上に黒の絶縁テープで大きな四角形を作ってRocketbookアプリで認識、スキャン、保存できるか試してみた。なんと、これがまんまと成功してしまった。
 
 それならと、今度はリビングの壁により大きな四角形を絶縁テープで貼って作ってみた。当然、大きな方形部分を遠方から撮影するので、QRコードのサイズが小さすぎるのではないかと考え、大きく拡大印刷したモノを貼り付けて使ってみた。なぜかこの試みも想定外にうまくいってしまい驚いた。悪ノリついでに、より縦に大きな変則的な四角形を作ってみたが、これは見事に失敗だった。
 
 しかし、もともとRocketbookアプリの中にも、専用のRocktbook対応のノートなどを買わなくても、プリンターを所有するユーザーなら、フリーのRocketbook Pagesをセルフプリントしてトライアルできる機能が入っている。そのあたりは、もともと極めて鷹揚な対応なのかもしれない。
 
 今回も極めて気に入ってしまったThinkboard XとRocketbookアプリの組み合わせだが、まだ先日買ったばかりで愛用中の「ThinkPad X390」の天板に貼り付けるまでの覚悟はできていない。しばらくは知人から頂いた愛用のクリップボードに、リーガルパッドといっしょに挟んで機会あるごとに活用するつもりだ。
 
 よく似た仕組みが氾濫するアナデジノートブックの世界では、Thinkboard Xとの相棒であるRocketbookアプリはこのワールドで最強のタッグであることは間違いない。読者諸兄姉もこの機会にRocketbookをスマホにダウンロード/インストールして、無料のRocketbook Pagesを印刷してトライアルしてみてはいかがだろうか。スピード感と正確性、いずれも間違いなく「目から鱗」の大感動なのは確かだ。
 
今回の衝動買い
 
アイテム:Thinkboard Japan「Thinkboard X Small Size」
・購入:Amazon.co.jp
・価格:2980円
 
T教授
 
 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
 
文● T教授、撮影●T教授、編集●南田/ASCII編集部

最終更新:5/10(金) 14:56
アスキー

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