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ふりかけ市場、大人も満足できる味わいで先細りを防ぐ

4/24(水) 17:30配信

日本食糧新聞

ふりかけ・お茶漬け市場は2018年度、ほぼ前年実績並みの554億円で着地し、ふりかけの減少をお茶漬けが補った。お茶漬けは久しぶりの大幅増だったが、構成比7割のふりかけの微減が響いた。現在あるふりかけは大正時代の初期に生まれ、4つ目の和暦を間もなく迎える。100年超の商品史は海苔や漬物、佃煮といったほかのご飯周り商材と比べれば圧倒的に浅い。現代のご飯食、和食文化を継承し、促進するのに新価値を伝える革新が待たれる。同時に時短・簡便性のほか、健康的な乾物の組み合わせの妙といった、本来の価値訴求もことごとく続けたい。

「混ぜ込みわかめ」と「おとなのふりかけ」がけん引

ふりかけ市場は2018年3月期、前年比1%減の380億円で着地したとみられる。2年連続で縮小したが、微減と下落率は緩やかになった。

コメ消費の長期低落に比べると需要は底堅い。平成元年の1989年比で市場の推定規模は約100億円増えた。現代の市場をけん引する丸美屋食品工業の「混ぜ込みわかめ」、永谷園「おとなのふりかけ」は元年前後に誕生。主食のご飯周り商材の代表格として消費者に定着し、平成も業界をけん引してきた。令和直前からの大型連休、新元号の行楽商戦に臨む業界の、次代に向けたかじ取りが注目される。

前期はウエット具材で食べやすいソフトタイプ、小袋詰め合わせのミニパックなどサブカテゴリーが苦戦。「混ぜ込み」「おとな」がトップブランドの混ぜご飯、小袋分封が伸びて補った。

市場構成比は丸美屋「のりたま」などの大袋の直詰めが、4割を超えて最大ボリューム。混ぜご飯が2割を占めて、ソフト1割に残りはミニパック、キャラクター、おむすびの素、分封などが続く。

大袋は「のりたま」のほか、三島食品の「ゆかり」など売場の定番品が、近年堅調に推移している。定番ながら「のりたま」は、チップ入りの企画品を毎年発売するなどして鮮度感を維持。「ゆかり」は通販・土産中心の「ペンスタイル」や、「かおり」「あかり」の姉妹情報、缶チューハイなどのブランドシフトが広く話題となって、消費を刺激する。マーケティングを進化して、主力品人気の世代継承を果たしている。

大袋での明るいトピックがニチフリ食品と大森屋が推進する、異業種大手とのコラボ商品。5年前にニチフリが湖池屋と共同開発して始め、大森屋の「男梅ふりかけ」がヒットした。コラボ品はふりかけの持つ自由で楽しいイメージを増幅。SNSなどで口コミが広がって市場全体も後押し。価値と単価、市場価値の向上につながっている。

「男梅」同様、海苔や鰹節、昆布などを主原料にした大人向けも好調。乾物相場の高騰もあって代替需要も得た。大袋カテゴリー全体では前期、ほぼ前年並みの実績で着地したとみられる。

混ぜご飯の素は前期、前年比4%増と市場をけん引した。丸美屋「混ぜ込みわかめ」の全面リニューアルが成功。包装でブランド名と大きめ具材を際立たせた。豊富な素材量と乾燥具材の再現性を、新パッケージで着実に伝えた。

「混ぜ込み」の高い商品力は平成元年直前となる、1988年7月の発売当時から守っている。製法や原料、宣伝、販促を深めながら、旺盛な弁当需要を喚起し続けている。自らにふりかける食卓用途より、家族などの健康を願う弁当の方が、消費・使用心理は前向き。素材・自然由来の豊かな味わいで、事業と業界継続を引っ張ってきた。

混ぜご飯とともに前期市場を支えたのが小袋分封タイプ。主力の直詰めに比べて徳用感に劣り、以前は苦戦もしたが、近年は規模を回復している。

代表商品である、永谷園の「おとなのふりかけ」は品質への高い満足度を包装全面に明記。5年連続で増収となった。平成元年の1989年10月発売から商品名どおり、当時少なかった大人需要を喚起した。開けたての鮮度感で、豊富な海苔などの品質が伝わりやすい。こだわりの強いシニア層に今も支持され、少子高齢の現代ニーズを捉えている。

「混ぜ込み」「おとな」に通じるのが商品の品質本位。大人も満足できる味わいで、それまで子ども頼りだった市場の先細りを防いだ。

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最終更新:4/24(水) 17:30
日本食糧新聞

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