ここから本文です

【平成家族】子どもへの「お弁当作り」は愛情の証し? こども園で、SNSで「つらい」と吐露しても……

2019/4/24(水) 12:09配信

朝日新聞デジタル

【アーカイブ:内容は2018年12月2日の初出時点のものです】

 インスタグラムで「#弁当」と検索すると800万点近い画像がヒットします。美術館で企画展が開かれたり、海外で写真集が人気だったりと、小さな器に創意工夫を詰めた弁当は日本独自のカルチャーですが、子どもへの弁当となると、途端に愛情の証しのように言われ、苦しい思いをする人たちがいます。(朝日新聞記者・中井なつみ、田中聡子、長沢美津子)

【画像特集】パスタソース・総菜の盛りつけなどに「『手抜き』の罪悪感」 増加をグラフで、弁当を通じて愛情を伝えたい割合も

「愛情弁当が一番」園長の言葉に驚き

 「お昼ごはんには、お母さんの愛情弁当が一番! 愛情が詰まったお弁当は、子どもにとってなによりの栄養です」

 東京都内の認定こども園の入園説明会で、男性園長は当然という口ぶりで親たちに語りかけた。長男(4)の入園を控えて出席していた会社員の女性(35)は、続く言葉に耳を疑った。「共働きの方などは業者のお弁当を注文することもできますが、頼む方は基本的にいらっしゃいませんね」

 女性が住む地域は待機児童が多く、3年前の春にようやく入れた園は、3歳までしか通うことができない認可外保育園だった。2回目の保活で、ようやく小学校入学前までいられる認可保育施設の内定を得たが、そこは50年以上の歴史がある幼稚園が母体となった認定こども園だった。

 会場のスクリーンに、弁当を食べる子どもたちの写真がプロジェクターから映し出された。食育に力を入れているという園長の話は続いた。「お弁当箱を開いたときのお子さんの笑顔は格別。お弁当のやりとりで、親子の愛情が深まります」

 それまで通っていた保育園では給食が出た。育休明けからずっとフルタイムで働いてきた女性は、給食をとても頼りにしてきた、という。「自分が作ったことのない料理が出てくるし、家では好き嫌いを主張して食べない野菜も、先生の声かけがあって、ずいぶん食べられるようになっていましたから」。

 こども園でも、保育園での給食に代わるものとして、業者の弁当を利用しようと思っていた。「でも、その選択ができる雰囲気ではなかった」という。

1/3ページ

最終更新:2019/4/24(水) 12:23
朝日新聞デジタル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ