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フルサイズミラーレス「EOS RP」が苦戦中? 価格優位は決め手にならず

4/24(水) 18:00配信

BCN

 フルサイズミラーレス市場の起爆剤として、キヤノンがNo.1戦略の要に据えて3月14日に発売した「EOS RP」が苦戦している。全国の家電量販店やECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、発売した3月11日週こそシリーズ別の販売台数シェアで1位につけたものの、以降は失速。週を追うごとに、ソニーの「α7 III」に差をつけられている。



 EOS RPは、同社初のミラーレスフルサイズとして昨年秋に発売した「EOS R」の廉価版。小型・軽量化やプライスダウンを実現しつつも、性能ではEOS Rと大差ないレベルを維持し、発表時に「フルサイズ市場でNo.1を獲得するための戦略機」と位置付けた。
 

 狙い通りに価格戦略でEOS RPは、他社モデルより優位に立った。3月11日週~4月8日週のおよそ1カ月で販売されたフルサイズミラーレスの平均単価は22万9430円。その中で、EOS RPは18万9185円と4万円近く安い。

 しかし、それが販売増の決め手にはならなかった。販売台数で1位になったα7 IIIの平均単価は21万7128円。EOS RPより3万円ほど高いにも関わらず、3月18日週に首位に返り咲くと、4月1日週からさらにギアを上げ、4月8日週には42.0%までシェアを上げた。

 この結果には、いくつかの要因がありそうだ。まず、もとから高級路線であるフルサイズミラーレス市場において、価格優位性が販売に与えた影響が限定的だったということ。「割安でコスパのよいモデル」を購入基準としたユーザーは初動では一部にとどまった。

 また、現時点における交換レンズのラインアップの差もEOS RPとα7 IIIの明暗を分けた。新マウントを採用したEOS RPに直接装着できるRFレンズの数は、4月24日時点で4本(19年中に6本を追加する予定)。マウントアダプターを装着すれば、EFレンズ、EF-Sレンズにも対応するが、様子見をする消費者が多かったとみられる。
 

 スタートダッシュは期待通りにはいかなかったかもしれないが、これでキヤノンのNo.1戦略の雲行きが怪しくなったわけではない。まだ市場規模が小さい同市場では、ちょっとした変化でシェアはすぐに動く。エントリーモデルのミラーレスや一眼レフを使用するユーザーを移行させて市場を広げ、新マウントレンズのラインアップを着実に育てていけば、おのずとソニーの背中は見えてくる。

 もちろんソニーや他の競合も黙ってはいない。覇権を握るメーカーが決まるのはまだ先のことだろう。とはいえ、19年中はソニーのα7 IIIとキヤノンのEOS RPがけん引して展開することは予想できる。両社がどのように主導権を握っていくのか。カメラ関係者やカメラファンにとって、今年最大の関心事になりそうだ。(BCN・大蔵 大輔)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

 

最終更新:4/25(木) 18:46
BCN

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