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女性記者に長崎市幹部が性暴力、取材中の「おぞましい事件」 市を提訴

4/25(木) 16:43配信

BuzzFeed Japan

広げられた「虚偽のうわさ」

10月31日には、記者の所属する報道機関も市側に直接抗議をした。さらに翌日には、地元紙が「女性記者にわいせつ行為」として報じた。

市長も30日に部長に聴取していたが、本人は「仕事で会ったのではない」「男と女の関係」などと否定していたという。

部長は31日に退職届を提出したが、調査が済むまでは「預かり」となった。その深夜、自ら命を絶った。

市側はその後も、女性記者に謝罪しなかった。市はこの年の12月13日に調査結果の報告書をまとめたが、ここでも被害を認めることはなかった。

その後、二次被害も発生した。

部長の友人である別の幹部職員が、市長やほかの幹部、議会関係者、記者などに「二度も三度も関係を持っていた」「(記者が)誘ってきたがそれを断ってやった」「部長は記者にはめられて殺された」などとする虚偽のうわさを振りまいていたという。

このうわさと同様の内容をその後、週刊誌が報じた。

弁護団は、この一連の週刊誌報道がインターネット上に掲載されることで、ネット掲示板などにおける記者へのバッシングが高まり、さらなる被害を引き起こした、としている。

性暴力が個人の関係に矮小化

記者はその後、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てをした。

日弁連は2014年2月に人権侵害を認め、市に被害を防止するための措置を市が尽くしていなかった責任があるとして勧告を出したが、市側は受け入れを拒否した。

なお、日弁連が認めた被害は、以下の点などだ。

・性行為について、それが、市の幹部職員が記者に対して有する情報や取材機会の提供等に関する職務上の優越的地位を濫用し、申立人の意に反して強要した人権侵害であったこと
・市関係者の言動により、市役所・市議会ないはもとより市の外部においても(…)申立人に非があるかのような事実に反する風説が内外に流布されるなど(…)二次被害の人権侵害を受けたこと

その後も勧告受け入れの再要請などの協議を続けてきたが進展はなく、問題が起きて12年後となった今回、「やむなく提訴に至った」という。

女性の弁護団は会見で、部長の性暴力が「職務権限の濫用」であったと指摘。

当初から被害を認めてこなかった市側の対応を「プライベートな関係で発生した問題としている」「市は二次被害まで引き起こしている点を認めないといけない」などと批判した。

中野麻美弁護士は「性暴力が個人の関係性の問題に矮小化され、犯罪性が隠蔽化されていることは、絶対に許すべきことではないと考えています。その問題を正面から問題にすることで、市の責任という形で社会に問うていきたい」としている。

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最終更新:4/25(木) 21:34
BuzzFeed Japan

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