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平成の記憶 ヒラメ視察の陛下 注目されたのは/富山

4/25(木) 10:22配信

チューリップテレビ

 シリーズ平成の記憶。
 今週は、県内の天皇陛下ゆかりの人々が語る様々な証言をお伝えしています。

 2回目の24日は、陛下にヒラメなどの生産現場を案内した人たちです。
 魚にくわしい天皇陛下の着眼点に、驚いたと言います。

 「ただいまより、天皇・皇后両陛下がヒラメの稚魚をご放流になります」(会場アナウンス)

 平成27年10月の全国豊かな海づくり大会。
 天皇・皇后両陛下は、射水市の海王丸パークでヒラメの稚魚などを放流されました。
 このとき放流された稚魚は、県の滑川栽培漁業センターで育てられました。
 当時の所長・磯野さんは、こう話します。

 「周りに関わった全ての方が幸せを感じることができるようなそういう力をお持ちの方だと感じました。感じたことのない幸せ感を味わわせていただきました」(磯野前所長)

 3年前の放流の翌日。
 両陛下は、この生産現場を御覧になっていますこのとき、案内役を務めた磯野さんがヒラメにえさをやると、陛下の表情が一変したと言います。

 「餌をまいてお見せしたところにこっとお笑いになったんで、あっ喜んでいただけたと思いましてほっとしました」「本当に魚類をお好きなんだろうと思います」(磯野前所長)

 実は、天皇陛下は、ハゼの研究者でもあります。
 これまでに30あまりの論文を書き新種を発表されるなど、世界的に高い評価を受けています。
 今では多くの学者が用いている感覚器官の配置で種類を見分ける方法も、もともとは陛下が発見されたものです。
 県の栽培漁業センターでも、陛下の着眼点は職員を驚かせました。
 そばで見ていた当時のヒラメ担当・鴨野さんはー。
 「普通の方だと、まず魚に目が行くと思うんですけど、注水口の場所であるとか、排水口の場所であるとか、水槽の構造に興味をお持ちでしたからやはり視点が違うなと」
 「着眼点に私は驚きました」(鴨野さん)

 この施設では、深層水を混ぜることで水温を調整し、ヒラメの成長をコントロールしています。
 陛下は、その富山ならではの珍しい方法に関心を寄せられたのです。
 3年前の行幸啓の際に、栽培漁業センターは、綿密な稚魚の生産計画をたてました。
 ヒラメについては、成長をコントロールし、本番に放流適齢期の10センチにすることにしました。
 しかし、ヒラメは病気に弱く、ちょっとしたことで全滅したり、成長が遅れたりしてしまいます。
 そんな中、半年以上にわたり水温や水質の管理を徹底。
 見事に、10センチの稚魚5000匹を陛下に御覧に入れました。
 「一番苦労したのは、深層水を混ぜてある程度成長をコントロールして、大会当日に望まれたサイズで状態のいい種苗を提供すると、そこに全神経を注いできたので」
 「仕事を成し遂げたという自信が胸にあるので」
 「それを励みに、今後も仕事に邁進できたらなという気持ち」(鴨野さん)

 その後、海王丸パークには、陛下が詠まれた御製の碑が建てられました。
 「深海の水もて育てしヒラメの稚魚。人らと放つ富山の海に」
 「深海の水で育てた」
 というお言葉が、関係者に勇気を与えました。

 「御製と言い、すべて宝物を頂戴したような気持ちです」
 「ここをお立ちになるときに今後も研究をしっかり頑張ってくださいとおっしゃいまして、僕らは生産サイドの人間ですけどそれでも、そういうふうに声をかけていただいたことが、心の底から力が湧いてくるお言葉だったと感じています」(磯野前所長)

 まもなく退位される両陛下。
 富山で触れ合った人たちに、温かさと前向きな気持ちを残されています。

チューリップテレビ

最終更新:4/25(木) 10:22
チューリップテレビ

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