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【平成と天皇シリーズ】繰り返される権威の利用 保てぬ政治との距離

4/26(金) 11:14配信 有料

西日本新聞

九州豪雨の被災者を見舞うため大分県日田市役所に到着された天皇、皇后両陛下=2017年(本文の内容とは直接関係ありません)

 戦争と復興の時代だった昭和を経て、1989年に始まった平成は、間もなく終わりを迎えます。「天皇と平成シリーズ」では、新たな時代の象徴天皇として歩んでこられた天皇陛下の足跡をたどり、九州・沖縄を中心にゆかりの人々の秘話を掘り起こすことで、平成という時代を振り返ります。

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 内閣の要職を経験した政治家は、天皇陛下が問わず語りに発せられた「お言葉」に驚いたという。

 北方領土の2等分案には反対です-。

 北方四島を面積で2等分し、その半分の返還を求めるという案は一時期、政権内外で取り沙汰された。陛下から胸の内を聞かされたのは、一連の議論が下火になってからのことだ。

 面積で2等分すれば、択捉島の陸地に国境が引かれることになる。戦後、日本が戦争をせずに済んだのは、全ての国境が海の上にあったからだ。初めて陸上に国境が引かれた時、私は非常に心配する-。陛下の言葉は続いた。

 日本国憲法では天皇に政治的権能はなく、国政に関与することはできない。ただ、天皇が統治権の総攬(そうらん)者だった戦前の慣習に倣い、首相や閣僚らが国内外の情勢について説明する「内奏」は今も続けられている。2等分案の話が出たのもその時だった。

 発言する時期と場所が違えば、波紋を広げかねない内容だ。戦争を二度と繰り返してはならないという、陛下の強い思いがにじんだ発言とみられる。政治家は衝撃を受けたという。「そこまで深くお考えなのか、と」

 陛下の言葉は、受け手の天皇観によっては、政治的な色彩を帯びかねない。内奏の内容は口外しないことが不文律とされるのも、政治利用を防ぐためだ。 本文:2,645文字 写真:3枚

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西日本新聞

最終更新:4/26(金) 11:56
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