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F-35戦闘機捜索に投入の海底研究船「かいめい」とは 科学研究のための船をどう活用?

4/26(金) 6:03配信

乗りものニュース

文部科学省関連機関の海底広域研究船を投入

 2019年4月9日19時25分ごろ、航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F-35Aは、同三沢基地(青森県三沢市)の東方約135kmの太平洋上にて機影がレーダーから消え、連絡も取れなくなりました。消息を絶った同機は海へ墜落した可能性が大きく、24日(水)現在もなお、自衛隊や海上保安庁が捜索を進めています。

【写真】水深3000mでも活動可能、「かいめい」搭載のROV(無人探査機)

 4月23日(火)、岩屋 毅防衛大臣は閣議後の記者会見で、このF-35A戦闘機墜落事故に関して、文部科学省所管の研究機関である海洋研究開発機構(JAMSTEC)の保有する海底広域研究船「かいめい」が、機体の捜索活動に参加することを発表しました。

 この海底広域研究船「かいめい」とは、どのような船なのでしょうか。

「かいめい」は2016年に完成した新鋭研究船で、主要な任務は以下の3つです。

・海洋資源分布の広域調査、鉱物・鉱床の生成環境を捉える総合的科学調査を行うこと
・海底下構造探査、地震・津波に対する防災・減災研究を行うこと
・地球規模の気象現象の把握や環境変動の解明を行うこと

 つまり、海底の地下に埋蔵されている石油や天然ガスなどのエネルギー資源の在り処を探し出したり、鉄やマンガン、希少金属なども含めた鉱物資源の分布とその生成過程を調査したりすることや、海底下の地質や地層構造を調べ、地震の発生メカニズムを明らかにし、防災対策などに生かすこと、そして、気象観測や海洋観測を行い、気候や地球環境の変化を捉え、分析・研究することです。

実際どのように調査している?

「かいめい」の特徴は、海を広い範囲で探査する装備と能力を持ち、海底に有望なポイントを見つけたならば、ピンポイントでその資源サンプルなどを採取する機能を有した研究船だということです。

 まず海底広域探査能力について。「かいめい」は「MCS(マルチチャンネル反射法探査システム)」と呼ばれる装置を搭載しています。これは音波を利用して、海底や海底下の地層を調べる装置です。MCSは、「エアガン」という音波発生装置と「ストリーマーケーブル」という音波を感じ取るセンサーを内蔵したケーブルで構成されます。両者を船尾から繰り出して曳航し、エアガンから音波を発射、海底で反射した音波をストリーマーケーブルで受け取ります。そのデータを船内で解析して海底地形図を作り、分析するというものです。

 MCSによる探査方法は数通りあって、たとえば長さ3000mのストリーマーケーブルを4本曳(えい)航する方法では、一気に広範囲の海底地形データを取得することができます。調査する海域を行っては戻り、往来を繰り返すことで取得する海底地形データを面的に広げていき、作り出す海底地図は3Dの立体地形図とすることも可能です。海底の山や谷、海底にある物体などをも詳細に捉えます。「かいめい」はこのように、海底を見通す優れた目を持っているのが最大の特徴です。

 次に海底試料採取能力について。「かいめい」はROV(Remotely Operated Vehicle、無人探査機)も搭載しています。船内から遠隔操作するこの海中ロボットは、水深3000mまで潜らせることが可能で、2本のマニピュレータという機械の腕を持ち、海底に観測装置を設置したり地質サンプルなどを採取したりといった海中作業ができます。荷物などの搭載可能量は250kgもあるので、重量物を引き揚げてくることも可能です。

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最終更新:4/26(金) 19:02
乗りものニュース

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