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がん生存率は着実に上昇しているが、それはがんと闘うための一指標 余命は最善を尽くす治療と患者自身の闘病の仕方で大きく変わる

4/26(金) 13:34配信

サイエンスポータル

 国立がん研究センターが、全国の32医療施設が参加する全国がんセンター協議会(中釜斉会長)の協力を得て最新のがん生存率をこのほど公表した。2002~05年にがんと診断された人の10年後の生存率はがん全体で56.3%、08~10年に診断された人の5年後の生存率は67.9%だった。生存率は1990年代の後半から上昇しており、早期発見技術や治療方法の進歩が大きく貢献している。

 厚生労働省が1月に公表した「全国がん登録」によると、2016年にがんと診断された人は約99万5千人で100万人に迫る数字だった。内訳は男性約56万7千人、女性約42万8千人。社会の高齢化とともに国民の2人に1人ががんにかかるとされる時代にあって生存率の上昇は極めて望ましいことだ。だが、生存率は多くの患者の統計結果だ。一つの指標であって一人一人の患者の余命を決めるものではない。余命は最善を尽くす治療と患者自身の闘病の仕方で大きく変わってくる。

 がん生存率とは、がんと診断された患者が一定期間を過ぎた後に生きている割合。国立がん研究センターが公表した「相対生存率」は、がん以外の死因による死亡の影響を除いて算出している。数値が高いほど治療により生命を救えることを示している。がん全体の数値が注目されがちだが、実際にはがんになった部位や進行度ごとの数値が重要な意味を持つ。今回公表された10年生存率を見ると、前立腺がんや、乳がんなどは早期から進行がんまでを含めても80%を超えている一方、膵臓はわずか5%台で依然として目立って低く、こうした「難治がん」の早期発見や治療成績向上が大きな課題であることが浮かび上がる。

 「全国がん登録」(2016年)のがん患者の部位別内訳では大腸が最も多かった。約15万8千人で、続いて胃が約13万5千人、肺が約12万5千人、乳房約9万6千人、前立腺約9万人などだった。男女別では男性では胃が最も多く約9万3千人で、次いで前立腺、大腸、肺、肝臓の順。女性は乳房が最多で約9万5千人、次いで大腸、胃、肺と続いている。

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最終更新:4/26(金) 13:34
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