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トラックにはねられ亡くなった妻を思い 極小色紙で“鶴の花”1万羽

4/26(金) 8:00配信

下野新聞SOON

 【鹿沼】栃木県鹿沼市の元トラック運転手宇賀神金四郎(うがじんきんしろう)さん(76)が、2~3センチ四方の色紙を使った折り鶴を木に貼り付け、“鶴の花”を咲かせている。盆栽を思わせる折り鶴の樹作りは、車の運転を控えてから家で取り組める新たな趣味として始めた。宇賀神さんは「無心で、時に亡くなった妻を思って鶴を折っている。さらに技術を磨いて小さな鶴を折りたい」と話している。

 宇賀神さんは大型トラックの運転手として全国を走った。60歳で仕事を辞め、悠々自適な生活を送っていたが、悲劇は突然訪れた。2016年1月、最愛の妻昌子(まさこ)さん=当時(76)=が自宅近くの県道で大型トラックにはねられ亡くなった。都内への団体旅行の帰りだった。

 当時を「信じられなかった。本当に悔しかった」と振り返る。約2カ月後、次女、孫から「危ないからもう運転は控えて」と言われた。

 プロドライバーとして大型、大型特殊、けん引など1種免許は全て取得しているのは自慢だった。運転免許証は返納していないものの、以後、マイカーの運転は控えている。アユ釣り、ヘラブナ釣りを趣味としていたが、封印。新たな趣味として「かつてテレビで見た折り鶴を思い出した」という。

 最初は3センチ四方の色紙を使い、折り続けた。眼鏡型拡大ルーペ、ピンセットを使い1羽折るのに時間を要したが、最近は2センチの紙なら3分で完成する。1日30~50羽のペースで、色を変え、千羽折るのに約1カ月かかる。飾り付けは集めた小枝の形を整え、磨き、接着剤で丁寧に貼り付ける。盆栽の手入れをしている感覚だ。

 これまで折った鶴は約1万羽で、12鉢完成させた。1鉢で1400羽の作品もある。「折っている時は精神統一できるし、面倒を見てもらった妻の供養にもなると思う。今後は1・5センチ四方の折り紙にも挑戦したい」。宇賀神さんの指先はしなやかだ。

下野新聞社

最終更新:4/26(金) 8:00
下野新聞SOON

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