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ソフトバンク甲斐野、日本新記録も「僕は忘れられている」

4/26(金) 11:39配信

西日本スポーツ

 ◆ソフトバンク3-0オリックス(25日・ヤフオクドーム)

 誰も越えられなかった壁を甲斐野があっさりと乗り越えた。0-0の9回1死一、二塁。4番メネセスに打順が回ったところでマウンドに上がった。「(捕手の)甲斐さんにも気持ちが乗っていると言われた」。追い込んだ2球目は指に掛かった力強い外角154キロ。手応えを感じ、最後はフォークで空振り三振。続く後藤を三飛に仕留めると、珍しくど派手なガッツポーズを繰り出した。

【写真】珍しくど派手なガッツポーズを繰り出す甲斐野

 「やっぱり(記録を)意識したけど場面が場面だったので。マウンドに上がると、もう忘れていた。抑えることだけを考えていました」。無心で腕を振った右腕は、デビュー以来11戦連続無失点となり、1966年のドラフト制導入後の新人としてのプロ野球記録を樹立。かつて挑んだ5人がはね返された壁を、4連投で一気に打ち破った。

 開幕前の不安は自らの手でぬぐい去った。2月のキャンプで高評価を得ながら、オープン戦では7試合に投げ、防御率8・53と振るわなかった。「1年間、棒に振るかもしれない」。不安が湧き上がる中、最終戦の3月24日広島戦では会沢の頭部に死球を当て、危険球退場となった。

 周囲も心的な影響を不安視する中、首脳陣に訴えた。「もう一回、投げさせてください」。同27日、先発調整の場となった2軍西部ガス戦で、甲斐野も登板し、1回無失点に抑えた。「打たれるかもと思ってマウンドに上がることはない。あそこでは、やるしかないので」。そう思える裏付けを最後まで求めていた。

 兵庫で生まれ育った、3兄弟の末っ子。明るい性格で、マウンドを離れれば先輩からのいじられ役になっている。この日の試合前は「次、抑えたら新記録らしいな」と口々にハッパをかけられていた。

 だが、試合後は10回の今宮のアクロバティックな守備や、サヨナラ本塁打を放った明石のバック宙で話題は持ちきりだったという。「結局、僕が抑えたことは、忘れられているんですよ」と苦笑い。ただ、新記録を勝ち試合で達成できたことを素直に喜んだ。「僕は点を取れないし、投げて勝たせられない。でも、ゼロで抑えればチームが勝てるかもしれない。本当に勝ち試合でよかった」。無邪気な笑みがはじけた。

 倉野投手コーチ「あの場面は甲斐野しかいない、と監督とも話した。期待に応えてくれる働きで頼もしい」

西日本スポーツ

最終更新:4/26(金) 12:47
西日本スポーツ

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