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知念慶という異質な存在。“新エース”のポテンシャルを川崎Fはどう生かすのか

4/26(金) 13:10配信

GOAL

公式戦3試合無敗、リーグ戦は2連勝。川崎フロンターレの強さが戻ってきた。次なる戦いは28日のヴィッセル神戸戦。川崎Fのキーマンに挙げられるのは4試合連続ゴール中の知念慶だ。“新エース”は復活を期する王者にどんな変化をもたらしているのか。【文=原山裕平】

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■“新エース”知念の強み

 およそ、川崎フロンターレらしくない選手である。

 卓越したポジショニングと正確なキックとトラップを駆使して流麗なパスワークを奏でる川崎Fにおいて求められるのは、何より基本技術のクオリティになる。スピードやパワー、高さといったフィジカル要素ももちろん必要ではあるものの、どちらかと言えばそのプライオリティは二の次だろう。

 中村憲剛をはじめ、家長昭博、大島僚太と川崎Fにはテクニックと判断能力に優れた技巧派が数多く存在する。だからこそ質の高いパスサッカーを体現できるし、洗練された攻撃スタイルを維持できるのである。

 そのなかにおいて知念慶は、明らかに異質な存在だ。その特長は強靭なフィジカルを生かしたパワフルなプレーにある。相手をなぎ倒すようなドリブルで突き進み、敵を背負っても動じない力強いポストワークも備える。もちろん最低限の技術はあるとはいえ、目を引くのはやはり、荒削りながらも泥臭くゴールに向かう、その“強さ”である。

 愛知学院大から加入して3年目の今季、沖縄出身の24歳ストライカーは、いよいよそのポテンシャルを開花させようとしている。

 昨季まではスーパーサブやクローザー的な役割が多かったものの、今季はチーム内での序列を着実に高めている。第3節の横浜F・マリノス戦で今季初のスタメン出場を果たすと、第5節の松本山雅FC戦で初ゴールをマーク。勢いに乗った知念は、続く第6節のセレッソ大阪戦、第7節のサガン鳥栖戦と3試合連続でゴールを記録。そして迎えた前節(第8節)の湘南ベルマーレとのホーム戦、1点リードで迎えた37分に奈良竜樹のスルーパスに抜け出し、貴重な追加点をマーク。圧巻の4試合連続ゴールで、チームのリーグ戦今季ホーム初勝利に大きく貢献した。

「奈良くんとは練習から話をしていたし、狙っていた形だった。相手のCBが(小林)悠さんに食いついてくれたので、その裏をうまく狙えたと思います」

 練習の成果が表れた一撃。知念ははにかみながらも手ごたえを口にした。

 川崎FのFW陣には、小林悠という絶対的な存在だけでなく、今季は元セレソンのレアンドロ・ダミアンという強力なライバルが加わった。ポジション争いが熾烈となるなか、出場機会を急激に増やし、ブレイクの予感を漂わせているのはなぜか。知念はその要因を次のように語る。

「自分でもあまり分からないんですよね(笑)。ただ去年よりはだいぶ落ち着いてプレーできている感覚はあります。まだまだミスが多いなかでも、メンタルのブレとかがないので、そこは自信がついているのかなと思います」

 知念の強さは、決してフィジカルだけではないようだ。物怖じしない精神力、あるいは細かいことを気にしない“鈍感力”とも言うべきか。失敗を恐れない前向きな姿勢が、知念の成長を促しているのかもしれない。

「今日(湘南戦)もミスはありましたし、前半は消えていた。受けた時のミスもあったんで、そういうプレーにはもっとこだわっていきたい。でも、そこでパワーを使い過ぎていないからこそ、ゴール前に上手く抜け出せているのかなという部分もある。だから、結果が出ているうちは、そこはあまり気にしないで、ポジティブにやっていこうと思っています」

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最終更新:4/26(金) 15:48
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