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アリ?ナシ? 女性の「ぼっち酒」、酒場ライターがその本質に迫る

4/28(日) 18:00配信

アーバン ライフ メトロ

ひとり飲み女子はカワイソウ?

 今回のコラム執筆に関する打ち合わせをしていた時、担当の編集者さんが以前、知人の30代女性から「毎夜ひとり飲みをしている私って可哀そうなのかな?」と相談されたという話が出ました。

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 詳しく話を聞いてみると、「仕事帰りにひとりで飲んでいることを同世代の友達に話したら『なにそれ、ぼっち(独りぼっちの略)のマイナスオーラが増すからやめなよ!可哀そう』と哀れな目で見られちゃって。バーで静かにグラスを傾けている大人の女性のイメージだったのに……」とのこと。

 そこで、他にもそういう声はあるのか、簡易的にアンケートをとってもらうと、「母親に『女のひとり飲みなんてみっともないからやめなさい』と言われた」とか、「女ひとりで飲み屋に入るのは恥ずかしい」などの声がちらほら。一方で、「男の人におごってもらうのが当然になっている人よりいい」「自立した人という感じでカッコイイ」という声も。

 そこで今回は、女性の社会進出が加速したといわれる「平成」の時代が終わる今、女性のひとり飲みについて考えるコラムを書いてみましょうということになりました。

平成時代の女性と酒場の関係を振り返る

 あらためて今回のテーマを要約すると、「ひとり飲み女子は『可哀そうなぼっち』なのか『自立した女性』なのか」。

 いきなり個人的な結論から申し上げるに、はっきり言って「そんなの人それぞれ」としか言いようがないです。

 日本の女性と酒場の関係を平成の始めくらいから振り返ってみると、バブル期に「オヤジギャル」なる言葉が現れ、居酒屋で女性がお酒を飲むことは、なんでもない、ごく当たり前のことになりました。

 その頃から、バブルへのカウンターカルチャーとして、居酒屋研究家の太田和彦さんなどが筆頭となり、「大衆酒場」を再評価、研究する流れも生まれます。

 そして、バブル崩壊から続く長い不況時代を経て人々の価値観は変化。そこにがっちりとハマったのが、中島らもさんが生み出した「せんべろ」(1000円程度でべろべろに酔える価格帯の酒場の俗称)という造語です。

 この言葉は、大阪の酒飲みオヤジたちがせせこましくも愉快に酔っぱらう様を描いた当初の意味から大きく発展。グルメサイトには「焼肉」や「ラーメン」などと並んで「せんべろ」の検索項目がありますし、せんべろ専門のムック本が多数出版されるなど、いまや酒場業界におけるいちジャンルとして百花繚乱の盛り上がりをみせています。

「せんべろ酒場」を謳(うた)うお店側にも、値段なりではない創意工夫を凝らした料理や、スタイリッシュな雰囲気をともなったお店がいくらでもあることはご存知の通り。昔は「座席がないぶん安い」イメージだった立ち飲み屋も、イタリアンやエスニックからフレンチまで、ないジャンルはないと言えるほどの充実ぶり。

 同様に、かつてはどこか危険な雰囲気すら漂っていた、酒屋の一角で客に酒を飲ませる業態である「角打ち」もずいぶんと変化。こだわりのワインや日本酒が味わえる店、手の込んだおつまみを出すお店など、ブームに乗った新店が次々生まれています。仕事帰りにサクッと寄れる気軽さも受け、もはやこういったお店に敷居を感じる人のほうが少ないのではないでしょうか。

 具体例を挙げれば、浅草で130年の以上の歴史を誇る老舗酒屋「相模屋本店」が数年前にオープンさせた「相模屋本店 角打ち」(台東区浅草)。その店名の響きからは想像できないほどスタイリッシュな店内で提供される酒類のメインは、イタリア直輸入ワイン。こうなってくるとむしろ、場末専門の酒飲みである僕のほうが入るのを躊躇してしまうほどの華やかさです。

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最終更新:4/29(月) 10:28
アーバン ライフ メトロ

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