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「しょせん脳性まひ」と言われ傷ついた…性介助サービスが未整備の女性障害者が葛藤を告白

5/1(水) 10:01配信

AbemaTIMES

■男性介護職員に向けられることも

 そんな女性たちのやり場のない思いは、福祉の現場に向けられることもあるという。NPO法人「自立支援センターむく」の木村利信理事は、男性スタッフが女性障害者に性の介助を求められる現場を目にしてきた。日本では同性による介護が一般的だが、人手不足などで異性介護にならざるを得ない状況も日常的に生じる。そんな時、信頼関係の中で、体に触れて欲しいという要望が出るのだという。「胸を触って欲しいとか、性器を触って欲しいとなると、介助から一歩逸脱しているのかなと思う。それでも、そういうことを望んでいる方も非常に多いことは確かだし、介護職の男性職員は必ず葛藤を感じている。性介助が絶対に必要だと思う」。

 木村氏は現在、TENGAと共同で手に障害がある人でも使いやすいアダルトグッズの制作を行っている。既存の製品にテープを取り付け、握力がない人でも利用できるようにしたものを開発。さらに女性が自慰行為をするためのサポートグッズはゴム状のアタッチメントをつけ、持ちやすく使いやすいものへと改良した。製品はインターネットでも販売している。

 今は自分で性的欲求を満たしているまゆみさん。体調によって麻痺のある手が動かしづらい時にはローターを使う。ただ、ベッドに移るだけでも疲れてしまうため、行為は車いすの上だ。「自分の体の特性上、足がそんなに開かないので、ちょっと不完全燃焼で終わる」。股関節が固く、意図せず足が閉じてしまうため、満足感を得ることが難しいという。

 それでも都内で1人暮らしをし、食事やトイレも一人で行えることから、「はっきり言って自分は恵まれていると思う。これまで自慰行為ができない人を間近で見てきたので、日常の中で性的欲求が解消されることが当たり前にならなければいけないと思っている」と話し、女性障害者への性介助の必要性を訴える。

■「性介助と性風俗店は違う」

 性的な仕事への興味から、障害者専用デリヘルで働いた経験もあるまゆみさんは、性介助と性風俗店の違いを強調する。

 「風俗を否定しているわけではないし、絶対必要なものだと思っている。でも風俗はあくまでも娯楽、エンタメ。お金を払って非日常を演出するものだと思う。そうではなく、日常の自慰行為のベースが確立されてはじめて遊びにつながる。そこを理解してほしい。私も風俗をやるまでは風俗があれば解決すると思っていたが、そうではなかった。やはり家の中でできる性介助の支援を受けたいし、そういうサービスが整備されれば良いと思うようになった。ここが一般の人たちには理解されないし、浸透しないので、風俗という非日常のカテゴリーの中で解釈されてしまう。辻褄が合わないと思われるかもしれないが、私は風俗に行くのは死ぬほど恥ずかしい(笑)」。

 射精介助も含めた障害者の性の問題に取り組む一般社団法人ホワイトハンズ代表の坂爪真吾氏は、障害者専用デリヘルについて「数自体は多くはないが、20年くらい前から存在はしている」と話す。その一方、女性障害者向けの性サービスは、数少ない男性用障害者専用デリヘル等と比べてもさらに少ないのだという。「男性は射精という明確なゴールがあるが、女性はゴールがわかりづらい。そのへんの曖昧さも背景にはあると思う。欲求はみなさんあると思うが、どうやって発散すればいいのか分からなず、言える相手や場所がないことが問題だ。もっと声をあげやすい環境や社会を作っていく。まずはそこからだと思うし、風俗は娯楽、エンタメという分野でもある。介護は健康、権利を守るという視点なので、文脈の違いはあると思う。そこを分けた上で、両方必要で色々な選択肢を増やす必要もあると思う」。

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最終更新:5/1(水) 10:01
AbemaTIMES

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