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博多港の“日本一”を支える水先人 知られざる世界に潜入

5/2(木) 7:01配信

九州朝日放送

水先人専用の船がある?

5分ほどで到着した港には漁船ほどの小型船が停泊していた。

水先人が乗り込む専用の船「パイロットボート」だ。

船体に「PILOT」と大きく記されている。水先人は英語で「パイロット」。

世界中からやってくる船にも一目で分かるようになっているのだ。

山口さんはここからパイロットボートで博多港沖に向かい、客船に乗り込む。

博多港沖に向けて出航

パイロットボートが出航すると、山口さんはすぐにトランシーバーで無線交信を始めた。

「おはようございます。クァンタムオブザシーズに向かいます。8時50分、乗船の予定です。現在の風の状況と航路をお願いします」

交信の相手は博多ポートラジオだ。飛行場の管制に似ているが、強制力はなく博多港に入港する船舶に様々な情報を提供している港の無線局だ。

博多ポートラジオからすぐに返答があった。

「現在、クァンタムオブザシーズですけど、(博多港)6・3マイル沖、15・8ノットで航行しております」

続いて、船に備え付けられた無線機を手に取った。

「グッモーニング!キャプテン」

客船の船長との直接のやり取りだ。もちろん全て英語。乗船時間などのスケジュールを短く伝えた。

巨大客船に並走しながら乗り移る

パイロットボートに乗って約30分。大型客船クァンタムオブザシーズが姿を現した。

パイロットボートが徐々に近づく。

大型の船は簡単に止まることができないため、水先人は並走するパイロットボートから乗り移るのだ。

全長350メートルの超大型客船は近づくともはや船というより動く巨大な壁だ。

パイロットボートは客船の後ろから徐々に近づき、船体側面の乗降口にピタリとついた。

その瞬間、船が止まったように見えた。

客船とパイロットボートが同じ速度で走っているのだ。

「それでは行ってきます」

「それでは行ってきます」

パイロットボートの船長に声をかけると山口さんは船の2階部分に上がった。

風は穏やかだが、大型船がつくり出す波でパイロットボートは左右に揺れる。

船に乗り移る際、水先人が落ちてしまい、死亡事故になった例も少なくない。

危険を伴う緊張の瞬間だ。

山口さんは慣れた様子で1メートルほどのはしごを上り、客船に乗り移った。

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最終更新:5/2(木) 7:01
九州朝日放送

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