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『ガンダム』第1話の名シーンを再現、ガンプラを「だまし絵」のように見せる『超遠近法』とは?アニメ的“誇張”と“省略”を具現化

5/3(金) 7:00配信

オリコン

 今年40周年を迎えた人気アニメの金字塔『機動戦士ガンダム』。その人気を支え続けるガンプラの累計出荷数が2日、5億個を突破したことが明らかになった。1980年の発売以降、老若男女問わず愛され続けるガンプラだが、その魅力はモデラーたちの妄想を具現化させる“自由度”にあるという。今回紹介するモデラー・いべまに氏(@kaijyunopapa)は、超遠近法というまるで「だまし絵」のようなジオラマ技法によりアニメの名シーンを再現。その超絶技巧が多くのモデラーたちに支持されている。

【名作ジオラマ】超遠近法のネタばらし!ガンダムの名シーンをガンプラ再現

■作品に練り込まれた「嘘」の部分から感じる“迫力”や“奥行き”

――ガンプラ歴を教えてください。

【いべまに】現在、五十路真っ只中のオッサンです(笑)。中学校時代まではガンプラを趣味にしていましたが、高校生からは趣味がバイクにシフトし四半世紀、8年ほど前からガンプラ熱が再燃し現在に至ります。

――超遠近法とは、一体どんな制作法なのでしょうか。

【いべまに】超遠近法は、手前に見える部分にスケールの大きいパーツを用い、奥に見える部位ほど小さいスケールのパーツを組み合わせて作り上げます。紹介している『機動戦士ガンダム』第1話のシーンでは、ガンダムの左手が1/35、胴体がメガサイズの1/48、右腕、左足先はマスターグレードの1/100を組み合わせて使用しており、奥に見えるザクは1/144のHGサイズです。私の作品のイメージは、ずっと登っている階段が描かれた建物の絵などで有名な「だまし絵」の巨匠、マウリッツ・エッシャー氏の作品に起因するところがあります。

――アニメは省略と誇張ですが、それをガンプラで表現するのは難しいと思います。

【いべまに】バランスを崩すことで生まれる美しさや面白さが根っこにあると思います。以前紹介されていた「だまし絵ガンプラ」の巨匠・今日さん(@kyo512a)の作品や、n兄さん(@n_blood7)の「ボックスアート再現ザク」にも感じるものですが、生のガンプラ作品や画像を見た方が、作品に練り込まれた「嘘」の部分に奥行や迫力を感じられるのではないでしょうか。

――超遠近法を制作するうえで、影響を受けた作品はありますか?

【いべまに】ガンプラの箱絵(ボックスアート)にとても影響を受けています。特にマスターグレードの箱絵には遠近感を誇張して描かれたものが多いので触手を動かされますね(笑)。また、サンライズパースの生みの親とも言えるメカニックデザイナー・大張正己さんのイラストから影響を受けていると思います。

――最初に制作した超遠近法の作品を教えてください。

【いべまに】『月刊ガンダムエース』で読んだ、「機動戦士ガンダム外伝 ザ・ブルー・ディスティニー」に登場する主役機、ブルーディスティニー1号機が暴走し友軍のジムの頭部を引きちぎったシーンを再現しました。漫画の作画には同じポーズのシーンは描かれていないのですが、ブルーディスティニーが暴走した時の凶暴性を誇張したシーンを再現したいと思い、超遠近法を用いることを思いつきました。

――超遠近法を制作し、カタルシスを感じる瞬間は?

【いべまに】異なるスケールのガンプラパーツを組み合わせて制作するのが超遠近法の作法です。頭に描いたイメージに近い「見せ方」に各々のパーツが納まった時には気分アゲアゲですね(笑)。私が建築を生業としていることにも起因するかもしれませんが、建物を建てる上でも必ず1か0かで割り切れない部分が必ず出てくるものです。そのデジタル的な作りでは納まりきれない部分を、「適当」かつ「良い加減」に納めるテクニックを昇華させたのが、自分の超遠近法作品だと思っています。

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最終更新:5/5(日) 9:25
オリコン

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