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「小野伸二のほうがすごかったで」播戸竜二が久保建英ら若き日本代表を語る

5/4(土) 19:00配信

HOMINIS(ホミニス)

今回で22回目となるFIFA U-20 ワールドカップ。開催地のポーランドで5月23日に開幕し、6月15日に決勝戦が行われ、大会の模様はJ SPORTSで生中継を中心に放送される。日本は2大会連続10回目の出場で、今大会はB組に入り、U-20南米選手権で初優勝を飾ったエクアドル、5大会連続16回目の出場となるメキシコ、前回大会3位のイタリアとグループステージを戦うことになる。昨シーズンFC琉球を退団し、現在は解説などを務める元日本代表FWの播戸竜二が、日本代表チームの見どころや大会の展望を語ってくれた。


――ご自身は1999年のFIFA U-20 ワールドカップのナイジェリア大会で準優勝という結果を残しましたが、あの経験は選手としてどのようなものでしたか?


「ガンバ大阪に練習生として入った1998年、プロ1年目にU19の代表に選ばれたんです。僕らの世代はFW不足で、高原直泰(沖縄SV)しか、決まった選手がいなかったのでチャンスでした。そして、1998年の10月にAFCユース選手権でタイ遠征に行ったんですけど、それが初めての海外でした(笑)。素直にサッカーで海外へ行けるってすごいなって思いましたよ。その翌年のナイジェリア大会では、国際大会出場よりも小野伸二(札幌)、稲本潤一(相模原)、高原直泰(沖縄SV)、遠藤保仁(G大阪)、小笠原満男(元・鹿島)など黄金世代と呼ばれる選手たちとプレーして、1ヶ月ともに過ごせたことの方が僕の中では大きかった。とはいえ、スペインとの決勝でシャビを見た時は衝撃でしたけど」


――具体的にはどこに衝撃を受けましたか?


「稲本がボールを奪えない選手をJリーグでは見たことがなかったんです。それこそ当時、日本代表の名波浩さんや森島寛晃さん、中村俊輔選手しかり、誰が相手でもガンガンボールを奪えていました。自分の中でも、やっぱり稲本はすごいというのがあった。でも、シャビを相手にボールを取りに行った時はいつも通りにはいかなかった。普通の選手だったら体をぶつけて弾いてボールを奪えるところが奪えない。シャビはボールを取りに行くとクルッと回ってそれをかわすんです。1回のコンタクトで3~4回クルクルって(笑)。いや、こいつはすげえな。こんな選手がいるんだ、って衝撃でした」


――シャビはその後、スペイン代表の中心になって、2000年のシドニー五輪では準優勝、2008年の欧州選手権で優勝、2010年のW杯南アフリカ大会では優勝しましたね。


「U-20は、原石中の原石の世代なんです。振り返ると、U-20W杯の成績によって、その後、上にいけるのかが決まる。リンクしているんです。今大会の次は東京五輪、W杯カタール大会と続いていきます。世界を相手に結果を出すことによって五輪とA代表が大枠で見えてきます。僕らの世代もナイジェリア大会で準優勝の後、シドニー五輪でベスト8、2002年のW杯ではベスト16でした。そういった意味でもU-20の世代は見ておかないといけないと思いますね」


――サッカーを楽しむためには継続して見ることも1つの要素ということですね?


「今大会、日本には久保建英という注目選手がいます。僕らの世代には小野伸二がいて、彼が引っ張っていってくれた感じがあるんです。彼は1998年に18歳でW杯フランス大会に出場しています。当時のU-20のメンバーは、みんな彼に負けないために頑張っていたんです。僕の中でも、なんぼJリーグで試合出ましたとか、なんぼ点取っても、小野はW杯に出ているっていうのが常にありました。あの大会があったから今も切磋琢磨していると思うんです。大会後もその思いは継続していて、U-20で一緒にやった仲間と日本サッカーを盛り上げたいという思いはすごく強く持っています」


――久保選手について期待していることはありますか?


「一昨年、大宮アルディージャ在籍時にルヴァン杯で対戦したんです。『久保くん、久保くん』って騒がれてて。『そんなん、なんやって、まだ子供やろ?(笑)』って、くらいの感じだったんです。そして、昨シーズン、J3でFC東京U-23と対戦したんです。その時も『正直、このくらいじゃ上にいったら厳しいんちゃう? (小野)伸二のほうがすごかったで』って思ってたけど、今シーズンの急激な伸び具合とかを見ると、やっぱりこの年代っていいなって思います。これで国際大会を経験して、欧州に行った時、どんな成長を遂げるのか、いちサッカー人として楽しみですよ。名前とプレーが一致する若い選手ってなかなかいないけど、久保選手はインタビューを聞いていても自信を持っているし、グイグイ上にいこうというのを感じられるからいいですね」


――久保選手以外で注目している選手はいますか?


「西川潤選手のデビュー戦となった、神戸vsC大阪のルヴァン杯を解説したんです。彼は良いですね。男前だし、スター性がある。180cmで左利き、プレーもしっかりしていて、スケールが大きい。久保選手と一緒にプレーすればさらに成長すると思いますね。久保選手はそういうみんなの力を引き上げる選手だと思いますから。僕らの世代の小野のような選手です。結果を残さないとこの世界生き残っていけへんし、全員で上がっていかないといけないから東京五輪とW杯カタール大会に繋がるような良い結果が出せれば、日本サッカーの良いサイクルができると思います」


――グループB(メキシコ、イタリア、エクアドル、日本)の展望と注目選手は?


「イタリアはFWモイーズ・キーン。何よりもユベントスという超一流選手のいる、超一流クラブで試合に出ているし、チャンピオンズリーグにも出ています。日本の守備陣が彼を止めることができるのか、というのは気になります。先日のルヴァン杯で瀬古歩夢選手(C大阪)がウェリントン(神戸)にガシガシいっていたんです。あの年代でそれができるのは重要だと思います。だから、キーンと対戦しても怯まないと思うんで楽しみですよ。僕らの頃よりもCBは粒が揃っているので、ああいった強力なアタッカーと対峙する日本の守備は見応えあると思います」


――日本が勝ち進むためにはどのような戦い方をすれば良いと思いますか?


「日本は個人のストロングがあるチームなのでそこをどんどん出していってほしい。U-20の世代ってどういう戦い方っていうのは難しいんです。全体は監督がまとめてっていうのはあると思いますが、自分たちの個性を出すしかない。僕らの時もトルシエ監督がフラット3など大枠を作って、そのなかで好きなようにやっていました。分析も重要だと思いますが、この世代って最終的に自分たちのイメージを持って戦わないと勝ち上がれない」


――U-20世代の大会ならではの特徴はありますか?


「上のカテゴリーになるほど、駆け引きも多くなりますし、経験値が増える分、選手たちも戦い方に慣れてくる。フル代表はチームが最初にあって、その中で個を活かすことになる。逆にこの世代は、小さいころからやってきた自分のサッカーを見せる意識を強く感じます。個があってのチーム。個を活かしながらチームに組み入れていく大会だと思います。そういった視点で見ると楽しめると思います」


――優勝候補は?


「ポルトガル、イタリアは優勝候補ですよね。短期決戦の大会ですけど急にグッと伸びるチームってあるんですよ。僕らがそうでしたから。この世代は1試合で個人レベルがグッと上がるんです。今大会の日本にはそこも期待したい。そういう希望も込めて日本に優勝してほしいですね」


Profile
播戸竜二(ばんどりゅうじ) 1979年兵庫県生まれ。1998年にガンバ大阪に加入。その後コンサドーレ札幌やヴィッセル神戸などでもプレー。2006年にはガンバ大阪で16得点を挙げる活躍もあり日本代表に初選出される。現在は解説者としても活躍中。


文=HOMINIS編集部 

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最終更新:5/4(土) 19:00
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