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なぜ「ミサイル」ではなく「飛翔体」?各国が抗議できないことを見越した上での発射か

5/7(火) 14:45配信

AbemaTIMES

 北朝鮮が4日、日本海上での軍事訓練として複数の「飛翔体」を発射、金正恩委員長が発射の様子を双眼鏡越しに見守る様子や笑顔でモニターを指す様子などの写真も公開した。

 およそ1年半ぶりに発射されたのは2018年の軍事パレードでも公開された新型の短距離弾道ミサイルとみられ、ロシアが開発した「イスカンデル」と酷似していることが専門家などから指摘されている。

 発射されたものが本当に弾道ミサイルだった場合、北朝鮮は国連安全保障理事会決議に違反したことになるが、アメリカのポンペオ国務長官は「北朝鮮東の沖に着水して国境を越えてはおらず、アメリカ、韓国、日本に対する脅威とはならなかった。比較的短距離で、大陸間弾道ミサイルでもなかったことも分かっている」と話し、弾道ミサイルであるかどうかを問題視せず、静観する姿勢を示している。また、韓国も当初「ミサイル」と発表した呼称を「飛翔体」「新型戦術誘導兵器」と修正、弾道ミサイルであるかどうかには言及していない状況だ。

■事を荒立てたくないときに各国が使う「飛翔体」

 聖学院大学の宮本悟教授は「技術的には短距離弾道ミサイルで、イスカンデルのコピーだと考えられる。ただ、ロシアが北朝鮮に売るはずがないので、そのままのものではないはず」とした上で、「これをミサイルと考えるかどうかについては政治的なしがらみがあり難しいということだ。まず、国連安保理制裁違反と認定してしまえば、アメリカとの対話ができなくなるし、戦争の危機が高まる可能性もある。だから対話を継続したいアメリカとしてはミサイルだとは言わないし、アメリカにとって危険なものではないと言い続けるしかない。日本も1998年に日本列島を超えたテポドンを飛翔体と呼んだし、北朝鮮に気を使うというか、事を荒立てたくない時には飛翔体という言葉を使ってきた。だからアメリカや韓国が特別なことをしたわけではない」。

 さらに北朝鮮側の思惑について、宮本氏は「もちろん北朝鮮も日本や韓国に脅威を与えるようなことをしたら協議が本当に潰れてしまうかもしれない。だから北朝鮮としても気を使っている。一方、国連安保理決議を北朝鮮はずっと拒否しているし、制裁にも耐えてみせるという意思表示の意味もあると思う。国内向けにも、国防と軍需産業をしっかりやるというアピールになる。北朝鮮は今まで短距離ミサイルに関しては、ほとんど国内で放送しなかったので、今回のように報じるのは非常に珍しい」と説明した。

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最終更新:5/7(火) 14:45
AbemaTIMES

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