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進む構造変化…証券業界の勢力図に異変

5/8(水) 10:10配信

ニュースイッチ

業界を超えてパラダイムシフト進む

 証券業界の勢力図に変化が生じている。野村ホールディングス(HD)や大和証券グループ本社など大手が苦戦を強いられる中、SBI証券が各社を上回る勢いで顧客を増やしている。一方、カブドットコム証券は、KDDIによるTOB(株式公開買い付け)に伴い上場廃止の見通し。証券業界の枠を超えて進むパラダイムシフトが各社に対応を迫っている。

 市場環境の悪化に伴う投資家心理の冷え込みなどで、野村HDをはじめ、各社の業績が大きく落ち込んだ状況下、SBI証券の堅調な業績が目立つ。ホールセール(法人分野)が拡大し、「イデコ(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)で新規の顧客を開拓する」(森田俊平SBIホールディングス専務)戦略も奏功している。口座数も約463万件で、約535万件を抱える野村HDを猛追する。

 証券業界の構造変化も進むことで大手が置かれた状況は厳しく、みずほ証券や三菱UFJ証券HDは19年3月期に大幅な当期減益。両社とも銀行と一体での構造改革の必要性が高まっており、「銀行の顧客を紹介してもらう」(伊勢谷直樹三菱UFJ証券HD執行役員)のも打開策といえる。

 異業種企業との連携も避けて通れない。野村HDはLINEと証券事業の準備を進めており、同社の膨大な対話アプリケーション(アプリ)利用者を顧客として取り込む。大和証券グループ本社はKDDIとの共同出資で資産運用会社を設立。主に若年層を対象に、イデコ専用のスマートフォンアプリを展開している。

 こうした動きは対面形式で顧客と結びついてきた従来の事業モデルでは成長が難しいことを示している。TOBを通じたKDDIとカブコムの連携が、勢力図の変化をさらに印象づけた。業界の垣根を越えた連携が新たな競争の号砲となる。

日刊工業新聞社・孝志勇輔

最終更新:5/8(水) 10:10
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