ここから本文です

山口舞さん「引退実感ないがやり切った」 シーガルズ一筋の17年振り返る

5/10(金) 9:10配信

山陽新聞デジタル

 バレーボール女子、岡山シーガルズの主将としてチームを引っ張り、6日閉幕した黒鷲旗全日本男女選抜大会を最後に現役を退いた山口舞さん(35)が9日、山陽新聞社の取材に応じた。176センチの体で世界と渡り合い、2012年ロンドン五輪で銅メダル獲得など輝きを放った競技生活。チーム一筋の17年間を振り返り「引退したという実感はない。でも、やり切ったという思いが強い」とすっきりした表情で話した。

 ―黒鷲旗準決勝で日立に2―3で敗れ、最後の試合となった。14年ぶり決勝へあと一歩だった。

 「最後は私の攻撃が止められた。応援席にあいさつに行った時に『終わったんだな』と思った。胴上げは人生初。恥ずかしくて抵抗もあったが、いろんな思いがこみ上げてきて、めちゃくちゃ泣いてしまった。支えてくれた人たちへの感謝の涙だったように思う」

 ―競技中心の生活にピリオドを打った。

 「これまでバレーのある生活が当たり前だった。正直、実感がまだない。今もいつものオフのような感じで、あと1週間で来季へスタートするような気分。寂しい気持ちがないわけではないが、本当にやり切ったという思い。今後は未定だが、育ててもらった岡山で何か役に立てる仕事ができればと思っている」

 ―黒鷲旗では鋭い攻撃を見せ、まだまだプレーできるとの声もある。

 「昨季は膝の故障のため長いブランクがあった。その間、今までで一番、自分の体と向き合い、トレーニングしてきた。ただ今季も筋力を維持するのが大変だった。それをあと1年間できるかと考えると、やはり難しい。体力面だけでなく精神面でも厳しいと感じた」

 ―10年世界選手権、12年ロンドン五輪の銅メダルは記憶に残る。充実した17年間だったのでは。

 「上背がない私がVリーグや日本代表で活躍できたのもシーガルズに入ったから。うまさや相手の嫌がるプレーを教えてもらったのが大きい。先輩には練習に取り組む姿勢、いろいろな考え方も学べた。ミスが少なく、どんな状況でも安定して力を出せる精神力を身に付けることができた」

 ―Vリーグ、黒鷲旗、全日本選手権でいずれも準優勝したが、日本一には最後も届かなかった。

 「黒鷲旗で決勝に進んだ05年は優勝チームと力の差を感じたが、今はどこが相手でも勝つチャンスがある。足りないのは持っている力を出し切る強さ。若手は技術も体格も良いものがあるが、チームの結束が落ちてしまうときがある。精神的な強さが安定してくれば、絶対に優勝できる」

 ―大黒柱を失う。今後のチームは誰に託すか。

 「最年長の吉田はもちろん、川島、丸山、佐々木がしっかり引っ張ってほしい。それから妹みたいにかわいがってきた宮下。中学生でチームに入り、日本代表の経験も長い。学んだことを後輩に伝えていってほしい。今後はチームの伝統を残しつつ、勝敗だけでなく、応援してくださる方が見て楽しめるチームになることを期待する」

 やまぐち・まい 大阪国際滝井高から2002年にシーガルズ入団。速攻や移動攻撃を武器にセンターとして長年チームをけん引した。13年から主将。17年目の今季Vリーグは通算出場セット数の新記録を樹立し、通算出場試合数も歴代1位タイとした。09年に初めて日本代表入りし、10年世界選手権や12年ロンドン五輪の銅メダルに貢献した。三重県志摩市出身。

最終更新:5/10(金) 9:10
山陽新聞デジタル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事