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<トルコ>イスラム女性のスカーフ着用問題(6) エルドアンの「イスラム攻勢」と軍部クーデター未遂  (写真7枚) 玉本英子

2019/5/13(月) 13:45配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

◆スカーフ問題が争点化

2016年7月に起きた軍部クーデター未遂事件。反乱派に狙われたエルドアン大統領は、退避先から携帯電話中継でテレビ局にメッセージを送り、国民に抵抗を呼びかけた。(画像はトルコ大統領府発行の「クーデター未遂と国民の勝利」パンフから)

国民のほとんどがイスラム教徒のトルコ。だが長年、女性の公務員や教員の職場でのスカーフ着用は禁じられてきた。憲法が規定する世俗主義に反すると解釈されたためだ。軍部の圧力のもと、のちに大学でも学生が着用を禁じられるようになると、スカーフ問題は大きな政治争点となっていった。(玉本英子・アジアプレス)

ボアズィチ大学当局から構内でのスカーフ不可を通達され、抗議の闘いに立った女子大学生たちを取材したのは2001年。信仰心ゆえに学業断念に直面した女子学生たちの姿は、見ていて胸が痛んだ。
「神を信じる心に、政治が土足で入ってきた。学校ではスカーフを脱げというのは、信仰心が引きはがされる思い」  

大学当局に抗議したゼヘラ・カルカン(19歳・当時)は、苦悩を語った。

その後のトルコは、イスラムと世俗主義をめぐる政治変革や重大事件があいつぐことになる。2002年、総選挙で親イスラムの公正発展党(AKP)が過半数を獲得。翌年、首相に就任したエルドアンは、様々な改革に着手する。イスラム神学校イマム・ハティップ高校からの大学進学を簡素化する教育改正がなされた。ゼヘラはこの学校の出身で、入試前に別途、大学入学資格試験を受けねばならなかったが、その苦労もなくなった。 本文:2,166文字 写真:7枚 大学でのスカーフ禁止通達に抵抗した女子大生を取材したのは2001年。私に隣に立つのがゼヘラで、「いつか強いスラム政党がこの状況を変えてくれる」と話していた。のちにそれは現実のものとなる。(2001年10月:撮影・アジアプレス) 親イスラム系のイェニ・シャファク紙の90年代末の記事。スカーフ着用禁止をめぐり、世俗派を批判している。 左は2006年、国家評議会での銃撃で死亡した判事。右は「世俗主義に銃弾」との見出しをつけたミリエット紙の紙面。写真右下が犯人の男で、世俗主義擁護で知られるジュムフリエト紙の爆破容疑でも起訴。 スカーフ論争はトルコの世俗派とイスラムの対峙を象徴する問題のひとつだった。親イスラム政党、公正発展党(AKP)を率いるエルドアン政権の誕生で、状況は大きく変わった。(2012年:撮影・アジアプレス) ...

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最終更新:2019/5/16(木) 14:30
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