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「芯に当たる自信がなくて…」 “嫌だった”ピン型パターが切り開いたメジャー女王への道【勝者のギア】

5/13(月) 12:15配信

ゴルフ情報ALBA.Net

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日◇12日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6560ヤード・パー72>

これが“明暗”を分けた16番のセカンド地点【大会フォト】

黄金世代から、また一人ニューヒロインが誕生した。大会史上最年少の20歳178日でメジャー女王の座についた渋野日向子。ペ・ソンウ(韓国)とのし烈な優勝争いに終止符を打つウィニングパットを沈めると、自らが勝因と語ったそれまでの笑顔を崩して、「久しぶりです」といううれし涙を流した。

2人の明暗を分けたのが16番パー4だった。セカンド地点で、フェアウェイ中央の木が存在感を発揮するこのホール。ここで右狙いをしたソンウが、ギャラリー観戦ロープの外に打ち込むミスを犯す。一方、残り172ヤードで4番UTを握って木の左を狙った渋野は、フェード気味に放ったショットでしっかりとグリーンオンに成功。ソンウがダボを喫したのに対し、渋野はパーでしのぎ、ここで2打のリードを奪った。

この時のUTに挿されているシャフトが、フジクラの「DIAMOND SPEEDER HYBRID7-S」。「切り返しが強くインパクトまでのスピード感があるスイング」とメーカー関係者が評する渋野に合ったシャフトで、「機敏な反応で応えてくれる」とお気に入り。ウッド系、アイアンのシャフトも同社のものを使う“フジクラ娘”だ。

またこの4日間、渋野はグリーン上で何度もギャラリーを沸かせた。3日目の最終18番では、残り5mのパーパットを沈め、「イーグル(を獲った)みたいでしたね」とスタンドから地響きのような歓声があがった。長短関係なく、次々と決まる強気のパット。平均パット数の項目を見ると、パーオンホールが「1.7563」で1位、1ラウンド当たりも「28.9630」で3位と精度の高さはいうまでもない。今大会も1日平均「28.00回」で全体5位タイという記録はもとより、記憶にも残る数々のナイスパットがギャラリーを魅了した。

だが本人いわく「パットは一番苦手でした」。そのウィークポイント克服のため、同じPING契約でツアー屈指のパット巧者・鈴木愛の動きなども参考に、来る日も来る日も練習を重ねた。それは父の悟さんも「本当によく練習していましたね。パターがよくなってから、余裕がでてきましたね」と証言するところ。それが、あの“面白いほど入る”パットとなって結実した。

そんな渋野のエースパターはピン型の「SIGMA2 ANSER」。去年のオフに初めて握り、開幕から使用するものだ。2日目終了後の会見で好調なパットについて聞かれると、「本当によく入ってくれましたね。パターのおかげですね!」と笑ったが、ここにも優勝へのドラマが隠されていた。

今でこそピン型を自由自在に操る渋野だが、もともと「高校まで、ずっと使っていました」というマレット型の愛好者だった。だが、2年前から師事する青木翔コーチが、「パットが苦手なのは分かっていました。そこで、道具に頼るのではなく、しっかりとしたストロークを身に付けて欲しくてピン型に変えさせました」と変更を“厳命”。当初は「その時の私は、芯に当てる自信がなくて…。最初は嫌でしたね」と消極的な気持ちで握り始めたが、この取り組みで基礎が固まり、今回のメジャー制覇につながった。

最終日の18番で、ウィニングパット直前のバーディチャンスを外し、「恥ずかしかった」と苦笑いしたのはご愛敬。それ以上に強烈なインパクトを残し、“渋野日向子=パット巧者”というイメージを揺るがぬものにする大会となった。

【渋野日向子のクラブセッティング(WITB=What’s in the Bag)】
1W:PING G410 PLUS(10.5度)
(フジクラ/Speeder569 EVOLUTION V/SR/44.75インチ)
3W:PING G410 LST フェアウェイウッド(14.5度)
5W:PING G410フェアウェイウッド(17.5度)
UT:PING G410(19度、22度)
5~PW:PING i210
W:PING GLIDE FORGED(52、58度)
PT:PING SIGMA2 ANSER
BALL:タイトリスト PRO V1x

(撮影:鈴木祥)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:5/13(月) 12:15
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