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キャッシュレス主役のクレカだがユーザー不利な規約も 求められる整備

5/13(月) 11:52配信

ITmedia ビジネスオンライン

クレジットカード付帯保険も時代とともに変化

 クレジットカードに付帯する保険も、カード発行会社、および引き受け保険会社によって扱いが異なる。

 かつて「米国旅行に行ったらTSAによる開錠検査された(影響で)スーツケースを破損した」というのを経験したことがある。破損の原因がTSA(米国国家公務員)によるものということで航空会社は補償せず、破損証明だけ発行してくれた。

 そこでクレジットカードの携行品補償を使おうと保険デスクに電話を行ったところ「国等の公権力の行使に該当するので補償の対象外」と三井住友カードの保険引受会社である三井住友海上火災保険に言われた経験がある。

 TSAによる開錠は2002年から行われたため、普通の人でも遭遇する機会が多かった。当時、すでにバラ掛けの保険では「空港等における安全確認検査等において、預け入れ荷物の錠が壊された場合を除きます」という免責を打ち消す文言があったが、三井住友海上が引受のカード付帯保険にはこれが追加されておらず、結局ほかのカード付帯保険で対応した。

 これも現在は、三井住友海上が保険を引き受けるクレジットカードでも支払い対象になっている。「ユーザーに有利な規約改定」を実施した例だ。

ICチップ付きは補償対象外?

 そして、来年には必須といわれているICチップ付クレジットカードの取引だ。以前のクレジットカード会員規約は「暗証番号取引の不正利用は補償制度の対象外」と明示していた。このため、ICチップ+暗証番号のショッピング取引は補償されないし、「偽造された磁気カードによるキャッシング」もダメと聞いている。日本にいることが証明でき、海外で不正にキャッシングで不正利用と認められた話を聞いたことがある程度だ。

 一方、セキュリティを上げるために暗証番号を変更する方法も考えられるが、ICチップ付クレジットカードの暗証番号変更は、ほぼカード再発行となり、会員にもカード発行会社にも負担が大きい。例外はJCBカード発行のクレジットカードで、これはセブン銀行ATMで変更可能だ。

 20年のオリンピック東京大会へ向けて「改訂日本再興戦略」が閣議決定されキャッシュレス化を促進することになり、それを受けて日本クレジット協会が20年までに100%のICカード化を目指すと発表した。そこで、これまでIC化を渋っていたカード発行会社もIC化を行っている。セゾンカードもICカード化を渋っていた会社の1つだ。

 ちょうど先日、筆者の元にセゾンカード発行の「ローソンPONTAカード」の更新カードが到着した。初期発行時、前回更新時にはなかったICチップが、今回の更新で搭載された。同封の最新の「カード規約」を確認してみた。

 現在の一般的な会員規約は、「暗証番号の管理について、会員に故意または過失がないと当社が認めた場合」場合は、不正利用されても保障制度があるというのが普通だ。ICカード化の流れは止められず、結果として暗証番号管理に関して規約を変えたと思われる。ただし、暗証番号取引の不正利用も「カード発行会社が認め」なければダメなので、カード会社の運用次第だ。

 ところが、現在のセゾンカードのカード会員規約は「暗証番号に関して会員が故意又は過失のなかったことを証明」しなければいけない。これは会員にとって相当ハードルが高い。故意や過失証明は事例を出せばいいので簡単だが、なかったことの証明は難しいからだ。

 しかも、セゾンカードは2017年11月26日付で「証明が必要な」厳しい方向に改定した。クレディセゾンは「運用が変わったということではなく、明確な言葉で表現した。カードの不正利用については、個別の事案ごとに会員から状況をヒアリングし、都度柔軟に対応している」とコメントしている。

 ただし紛失で不正利用される可能性を考えると、規約のさらなる改定が期待される。

 クレジットカード各社は「不正利用にも対応だから安心」とうたっているが、カード規約だけでもさまざまな違いがあることが分かる。多くのカード利用者は、規約の詳細まで確認していない。特にどのような時に免責(支払い義務が残る)かに関してはまだカード会社によって異なる。

 ユーザー自身がしっかり規約を確認した上で利用すべきという考え方もあるが、これから本格的にキャッシュレス社会を迎えるにあたり、各クレジットカード会社にはユーザーに不利にならないような規約に改めるとともに、特に不利な変更をする場合はしっかりと告知をしていくことが求められる。

ITmedia ビジネスオンライン

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最終更新:5/13(月) 11:52
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