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超高級車市場に参戦するBMW M850iは本格スポーツより肩の力を抜いた走りで実力を出す

5/13(月) 7:21配信

carview!

1000万円台後半のラグジュアリースポーツクーペ

20年ぶりに復活したBMWのフラッグシップクーペの新型「8シリーズ」を前にして強く思う。このクーペはカッコいい。実物は写真以上に妖艶で、「アストンマーチン DB11」などのスーパースポーツと比べても良いのでは? と思えてくる。

>>M850i フォト集<<

「6シリーズクーペ」の生産が終るとともに登場したので、後継モデルと思いきや、全く違う。BMWにとって新たな顧客層開拓を狙う、超ハイブランド戦略の切り込み隊長だ。価格は試乗した「M850i」で1714万円。フルサイズSUVの「X7」と、マイナーチェンジでグリルが大きくなった「7シリーズ」と併せて、1000万円台後半の超高級車市場に本腰を入れて挑んでいくことになる。

2ドアの4シーターだが、後席は大人の体型ではエマージェンシー用なので2+2パッケージだ。トランクはゴルフバック2個を容易に飲み込む実用性をもつ。要はこのモデル、4855×1900×1345mmのボディを、2人がお洒落に優雅に使う “ラグジュアリースポーツクーペ”である。

内装にも妖艶さが漂う。クリスタル仕上げのシフトレバーなど至る所がキラキラしていて、硬派なBMWがお洒落を覚えてしまった感じ。コクピット感がありつつも、ゆったりとして優雅さもある。超高級路線を開拓するなら、センターモニターやインパネモニターは「3シリーズ」などと差別化してプレミアム感を演出してほしいが、使い勝手や質感は悪くない。

しっとりとフラットが同居する異次元の乗り心地

走りの質感も高い。クルマの大きさが気にならない使用環境で、ハードなスポーティドライブをしない人にとって、M850iの乗り味はラグジュアリースポーツカーとして満点のレベルにある。

まず、しっとり感が高い。路面を掴んでいる節度感があるのに、不思議なほど突き上げや路面のザラつき感が抑えられ、全ての入力の角が取れている。衝撃マットの上を走るような感覚だ。

加えて、クルマは揺れているのにそれを感じさせないことにも驚かされる。前後は大きく上下するが、中心は上下せず、目線の移動も少ない。シーソーの中心に座っているような不思議な感覚だ。前後重量配分はもちろんだが着座位置が最適なため、その揺れさえも気にならないのだろう。2人乗りとして作り込めるパッケージならではの乗り味と言えそうだ。

その乗り味が低速から高速まで、苦手な速度域がないかのように続く。見逃せないのは電子制御サスペンションと、カーブで傾きを抑制する電子制御スタビライザーの協調制御による効果だ。曲がり出すと脚を固めて車体の動きを抑える制御が自然で、不思議なほど路面への貼り付き感が出ている。

ちなみに電子制御スタビライザーが旋回中のボディの傾きを抑制している時も、荒れた路面などからの入力の吸収性が落ちずにシットリ感が続くのも、この協調制御の成せる技なのだろう。前後方向のフラット感だけでなく、左右方向へのフラット感まで実現している、なかなかお目にかかれない乗り心地だ。

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最終更新:5/13(月) 7:21
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