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「引退危機」の声も… 阪神・藤浪に今オフメジャー挑戦案

5/14(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「投げられない状態が続くようなら、引退するしかありません」

 阪神の藤浪晋太郎(25)について、さるOBがこう断言する。

 くすぶる日々から抜け出せない。3月12日の中日戦後に自ら、首脳陣に二軍行きを直訴。実戦復帰のタイミングを一任され、復活に向けて調整を進めているが、二軍戦にすら一度も投げていない。

「マウンドに上がるための心の準備ができていないのです」とは、前出のOB。

「4月下旬に復帰登板する予定でしたが、ブルペンには入っても、自分自身でゴーサインを出せない。藤浪はこの週末、オリックス戦には帯同せず、鳴尾浜で調整。12日には外部をシャットアウトして異例の秘密特訓が行われたそうです。実際にマウンドで投球練習をしていたのかもしれません。3月に横手投げを試したと思ったら、去る10日の試合中のブルペンでは2段モーションになっていた。ますます迷走していると言わざるを得ません」

■「藤浪を投げさせるぞ!」という心ないヤジまで

 阪神ではもはや、針のむしろといっていい。ボール先行でカウントを悪くすると、球場内が大きなため息に包まれる。相手打線が好調だと、「藤浪を投げさせるぞ!」という心ないヤジすら飛ぶという。ますます藤浪が追い詰められるという悪循環だ。

 藤浪を巡っては、開幕前に楽天などの複数球団がトレードを打診したといわれている。高卒1年目から3年連続2ケタ勝利を挙げた実績はもちろん、最速160キロをマークするなど潜在能力の高さは球界屈指。藤浪を欲しがる球団がある一方、「ここまで精神的なダメージが大きいとなると、再生しようがない」「もう手遅れじゃないか」と、話す他球団の編成担当もいる。

 そんな中、阪神周辺で「藤浪にポスティングによるメジャー挑戦が浮上している」との話が聞こえてきた。別の阪神OBが声を潜めてこう言う。

「阪神がトレードに消極的なのは、昨年、西武へトレードした榎田(2010年ドラフト1位)が11勝を挙げて優勝に貢献したのに、阪神は最下位転落で赤っ恥をかいたのも理由の一つ。榎田以上にスター選手である藤浪を放出し、他球団で活躍されたら、それこそ目も当てられない。ファンやメディアといった世間体を気にしているのです。とはいえ、今季の阪神は青柳、才木といった若手投手が徐々に成長するなど、藤浪の穴はそれほど感じない。藤浪がいなければ絶対に上位争いができない状況ではない。そこでメジャー移籍です。藤浪が海外FA権を取得するのは早くても5年後の2024年。二軍にいる間は一軍登録日数が加算されない。かねて藤浪本人にはメジャー志向があると聞いているし、本人のプライドも尊重できます」

 藤浪は18年1月に渡米してダルビッシュ(カブス)と自主トレを行い、メジャー屈指の左腕であるカーショー(ドジャース)とも交流を深めた。「メジャー移籍なら国内の他球団で復活されて恥をかくこともない。ファンだって新天地がメジャーなら移籍に反発はないでしょう。少なからず譲渡金の恩恵にもあずかれます」(前出のOB)

■問題視される阪神の飼い殺し

 とはいえ、藤浪がバリバリ活躍していた時期ならまだしも、ここまで落ちぶれてしまった今、獲得に名乗りを上げるメジャー球団はあるのか。

「持っている能力はピカイチですからね」と、さる米球界関係者がこう続ける。

「フジナミは2メートル近い身長があり、手足も長い。フィジカルはもちろん、ストレートも変化球もメジャーで通用するでしょう。大阪桐蔭高時代から複数球団が注目していたし、数年前には20球団近いスカウトが投球を視察している。今は心理的な問題を抱えて低迷しているが、18年11月から施行されたポスティングシステムは譲渡金が契約の総額によって変動するため、旧制度よりも金銭的なリスクは少ない。球団によっては3年総額500万ドル(約5・5億円)程度の条件を出すでしょう」

 米国は日本と違い、藤浪のような2メートル近い選手はゴロゴロいる。大柄な選手、小柄な選手、それぞれの体形に合ったフォーム改良のノウハウがある。

「フジナミは17年に『フィーリングだけでやってきたところがある』と言っていた。今もまだ、確たる投球技術を持っていないのでしょう。メジャーでは何通りかの“処方箋”を用意し、どの“クスリ”が効くのかを順番に試す。フジナミは体の開きが早く、右腕が遠回りして遅れて出てくるため、制球が安定しない。体が開かないようにするには、投球時の左手のグラブの位置や使い方にもヒントがある。さらに、手足が長い選手はどんなグラブを使っているのか。そういうところから見直していけば、再生する可能性があるとみています」(前出の関係者)

 メジャー経験のある元選手は「例えばリリース際のグラブの使い方は日本では『グラブを引け』と教えることが多いが、アメリカでは『体の前に置け』と言う。環境が変われば指導法も変わる。精神面をケアする態勢も日本より整っている。藤浪本人のモチベーションも上がり、もっと聞く耳を持つでしょう。そうすることで制球難やイップスが改善されるかもしれません」と言う。

 かねて阪神による藤浪の飼い殺しが問題視されている。トレードではなく、メジャー挑戦が藤浪にとっても阪神にとってもプラスになるというのなら、ポスティングによる移籍を考える以外に手はないかもしれない。

最終更新:5/14(火) 17:30
日刊ゲンダイDIGITAL

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