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頻繁な胃もたれで楽しく食事ができない…原因は「機能性ディスペプシア」かも

5/14(火) 12:20配信

Medical Note

「もたれ」や「痛み」といった上腹部の症状は、日本人の4人に1人が月に2回以上感じているとされていて、非常にありふれたものです。しかしながら、その症状が慢性的に続き、とても不快であると感じるときに「機能性ディスペプシア」と診断されます。症状があると、食事がおいしく食べられないこともあり、患者さんの生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。【横浜市立大学医学部医学教育学主任教授・稲森正彦/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇食べると必ず胃もたれ…年のせい?

「昔からおなかが弱かったのですが、最近は年のせいか、食べるとかならず胃もたれがするので、たくさん食べられなくなりました。とくに脂っこい物、揚げ物なんかを食べると、そのあと必ず胃もたれがするので、食べないようにしているのですが……」。60代の男性患者、Aさんは、外来でおっしゃいます。

小柄でやせ型のAさんは「症状が出るようになってから、さらに食べることを楽しめなくなった」といいます。

内視鏡検査を行いましたが、逆流性食道炎や潰瘍、がんなどの病気は見られません。ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の検査もしましたが、ピロリ菌は検出されず陰性でした。にもかかわらず頻繁に胃もたれなどの自覚症状があることから、機能性ディスペプシアと診断しました。

◇最近わかってきた病気

機能性ディスペプシアは、最近疾患概念が確立した病気の1つです。「胃やみぞおち付近の不快な症状がありながら、炎症や潰瘍、腫瘍などはっきりとした異常が見つからない病気」を指します。世界的にはNUD(ノンアルサー・ディスペプシア=潰瘍のないディスペプシア)と呼ばれていた時期もありました。わが国では古くから教科書に記載されていた神経性胃炎、胃けいれんという病名も、機能性ディスペプシアに近い病気と考えられています。

日本人は最近までピロリ菌の感染率が高かったため、内視鏡検査をすると慢性胃炎がよく見つかりました。また健康診断で胃バリウム検査が広く行われていたため、その際に胃下垂が見つかることがよくありました。これらの現象と消化器症状が結び付けられて慢性胃炎や胃下垂と診断されていた方の中に、実は機能性ディスペプシアだった方が混在していたと考えられています。他の消化管の病気と異なり、機能性ディスペプシアはいつの時代も一定の割合で発生するのではないかという説もあります。

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最終更新:5/14(火) 12:20
Medical Note

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