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頻繁な胃もたれで楽しく食事ができない…原因は「機能性ディスペプシア」かも

5/14(火) 12:20配信

Medical Note

◇治療でQOLが改善

機能性ディスペプシアはなぜ治療しなくてはならないのでしょうか。その理由としては主に2つの説明がされています。まず患者さんの身体的、精神的、社会的QOLが、医療者を含む周囲の人が想像するより低下していて、治療により回復する事が挙げられています。2つの目の理由としては、さまざまな年代の方が罹患(りかん)していて、中には学業や就労に支障をきたしているケースもあります。「治療介入することで社会全体の経済的損失を最小限にできる」という研究があり、その点からも治療が勧められています。

◇今のところ「特効薬」はなし

機能性ディスペプシアの治療でまずすべきことは、生活習慣の改善です。禁酒・禁煙・暴飲暴食を避けることの他に、患者さんによっては日記のようなものをつけてもらい、食事内容や生活習慣と症状との関連を客観的にみることを勧めています。それにより苦手な食べ物、変えた方が良い食習慣がわかることがあります。

食べるときに胃もたれの症状が出ることを心配しすぎてしまう方もいらっしゃいます。患者さんに対しては「食べていけないものはありませんが、その量やタイミングの問題があるかもしれません。」とお話しするようにしています。

薬物治療では、残念ながら現在、どのような人にも効く「特効薬」と呼べる薬はありません。随伴する症状に応じて、胃酸分泌を抑制する効果の高い「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」と呼ばれる薬剤▽消化管運動を調節する薬剤▽漢方薬▽抗うつ薬、抗不安薬――などが適宜用いられます。

機能性ディスペプシアという病名に対して治験などの審査を受けて承認されている薬剤は、我が国で「アコチアミド(一般名)」というお薬のみです。ただし、全員に対して効果があるわけでなく、治療の適応となる症状は食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感に限られています。また、処方に先立って胃のバリウム検査や内視鏡検査を行い、がんや潰瘍などがないことを確認してから投与することが求められています。その後は症状の経過により薬物投与を継続する事もありますが、薬による治療と同時に、生活習慣を改善することで、維持療法が必要なくなる方もいらっしゃいます。

食後の胃痛や胃もたれに悩んでいる方がいましたら、一度かかりつけ医や消化器内科などに相談してみてください。

メディカルノート

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最終更新:5/14(火) 12:20
Medical Note

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