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米中摩擦、消費増税揺るがす=政府否定も延期論消えず

5/15(水) 7:07配信

時事通信

 米国と中国による貿易摩擦の激化が、安倍政権の消費税増税判断にのしかかっている。

 現時点で10月に税率を10%に引き上げる方針は変えていないが、景気の先行き不透明感は強まっている。夏の参院選をにらみ自民党内でくすぶる再々延期論が、今後の経済指標次第で強まる可能性もありそうだ。

 トランプ米政権は13日、中国からの輸入品のほぼ全てに制裁関税を拡大する案を公表。14日の日経平均株価は、約3年ぶりに7営業日連続で下落した。4月に増税先送りに言及し、釈明に追われた自民党の萩生田光一幹事長代行は同日の記者会見で「(景気動向を)きちんと見極めていきたい」と述べ、増税に慎重な立場を改めて示した。

 政府・与党はリーマン・ショック級の出来事が起こらない限り、10月に消費税率を引き上げる方針。麻生太郎副総理兼財務相は14日の会見で「今の段階でリーマン・ショック級の大きな話になるという感じで捉えているわけではない」と述べた。自民党の加藤勝信総務会長も会見で「そういう(リーマン級の)状況ではない」と同調した。

 過去2回の増税延期を決断した安倍晋三首相も、今回は増税前提で動いている。14日の政府・与党連絡会議では、幼児教育・保育を無償化する改正法の成立に触れ、「実務を担う地方自治体の意見もしっかり伺いながら準備を進めていく」と強調した。無償化の財源が消費税増収分と決まっていることに加え、政府が軽減税率に対応する準備を事業者に促していることから、いまさら増税延期は困難との見方が政権内でも大勢だ。

 それでも自民党内では、景気後退が懸念される中、再々延期論が消えない。取り沙汰される衆参同日選と絡め、「消費税延期で衆院解散だ」(若手)との声が上がる。

 13日に発表された景気動向指数(速報値)の基調判断は約6年ぶりに「悪化」。20日には1~3月期の国内総生産(GDP)速報値が発表され、マイナス成長に陥るとの民間予測がある。今月下旬に予定される月例経済報告では「緩やかに回復」としてきた景気認識が変わるかに注目が集まる。景気後退が鮮明になれば、自民党内から増税延期を公然と求める声が噴出する事態も予想される。 

最終更新:5/15(水) 18:09
時事通信

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