ここから本文です

調理師死亡は「過労が原因」 大阪地裁が認定 ミシュラン掲載店に勤務

5/15(水) 20:28配信

毎日新聞

 大阪市の人気フランス料理店で働いていた男性調理師(当時33歳)がウイルス性の心疾患で死亡したのは、過重労働が原因だとして、男性の妻が遺族補償年金などを不支給とした国の処分を取り消すよう求めた訴訟の判決で、大阪地裁は15日、取り消しを命じた。内藤裕之裁判長は、男性の時間外労働が月250時間に達していたと認定し、「過労で免疫に異常が生じた」として死亡との因果関係を認めた。

 店は格付け本「ミシュランガイド」にも掲載された有名店で、男性は2009年から正社員として勤務。何らかのウイルスに感染し、14年6月に急性心筋炎が原因で死亡した。

 妻は労災保険法の遺族補償を求めたが、大阪中央労働基準監督署は同年12月に支給しない決定をした。

 判決によると、男性は連日午前8時ごろ出勤し、閉店後も清掃などで未明まで勤務。帰宅して一睡もせず出勤する日もあり、毎月の時間外労働は1年間の平均で約250時間に上った。過労死ライン(月80時間)の3倍以上で、多い月では300時間近かった。

 判決は、極端な長時間労働が免疫機能の低下を招き、感染症になったと指摘。「業務と感染症の因果関係が不明」などとする国の主張を退けた。

 妻は「過労が原因と認められてうれしい。飲食業界の長時間労働が改善されてほしい」とコメント。代理人弁護士は「過労と免疫力の低下との因果関係を認めた判決は珍しい」と評価した。

 厚生労働省は「判決内容を検討して関係機関と協議する」としている。【村松洋】

最終更新:5/15(水) 23:34
毎日新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事