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米露、新START延長に向け協議へ 関係改善探る 個別情勢ではなお対立 

5/15(水) 8:36配信

産経新聞

 【モスクワ=小野田雄一】14日に露南部ソチで行われたロシアのラブロフ外相と米国のポンペオ国務長官の会談で、両氏は2021年に期限が切れる米露間の新戦略兵器削減条約(新START)の延長に向けた協議を進めることで一致した。両氏はまた、悪化している米露関係の改善が必要だとの認識を示した。ただ、核合意の義務履行の一部停止を表明したイランや政情不安の続く南米ベネズエラなどの情勢をめぐってはともに自国の主張を譲らず、米露間の隔たりの大きさを改めて鮮明にした。

 会談後の記者会見で、核弾頭や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの保有数を制限する新STARTの延長について、ラブロフ氏は「私たちは(延長に)合意できるとの見通しに立脚している」と指摘。ポンペオ氏も「条約の延長だけでなく、より広範囲な軍備管理について協議を進めることで合意した。これは両国の利益にかなう」と応じた。中距離核戦力(INF)全廃条約の失効問題で米露の核軍拡が再燃することへの懸念が強まる中、双方の軍備管理体制に一定の方向性が示された格好だ。

 両氏はまた、悪化の続く米露関係を改善させる必要性があるとの認識で一致。トランプ米大統領が大阪で来月開催される20カ国・地域(G20)首脳会議でプーチン露大統領と会談する意向を表明したことについても、ラブロフ氏は「正式な提案があれば当然、前向きに検討する」とした。

 ただ、個別の情勢をめぐる米露の見解の違いは埋まらなかった。イラン情勢についてラブロフ氏は、米国の核合意離脱と対イラン制裁の開始は不当だとの立場を改めて示した。

 ベネズエラ情勢でも、反米左派のマドゥロ政権側を支持するラブロフ氏は、米国による“内政干渉”や軍事介入への懸念を表明。一方、野党側のグアイド国会議長側を支持するポンペオ氏はロシアにマドゥロ政権支持をやめるよう求めた。

 さらにロシアによる2016年の米大統領選への介入疑惑に関連し、ポンペオ氏は「20年の大統領選でもロシアが干渉するような場合、両国関係は破綻する」と警告した。

 北朝鮮の非核化プロセスをめぐっても、ラブロフ氏は米朝対話の継続を支持する一方、北朝鮮の体制保証や朝鮮半島全体の非核化の必要性に言及。制裁の完全履行を主張する米国と、緩和を検討すべきとするロシアの立場は変わらなかったとみられる。両氏はこのほか、ロシアと事実上の戦争状態にあるウクライナや米軍が撤退を表明したシリアの情勢などを協議した。

 両氏は会談後、プーチン氏に成果を報告。イタル・タス通信によると、プーチン氏は米露関係の改善に意欲を示したという。

最終更新:5/16(木) 16:51
産経新聞

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