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大手銀 脱・日本的人事 8年で管理職も 優秀人材で生き残り

5/15(水) 21:49配信

産経新聞

 年功序列に代表される日本的雇用の典型例だった大手銀行の人事制度が変わろうとしている。三井住友銀行が入行後最短8年で管理職就任を可能にするなど各行は雇用慣行にメスを入れた。利ざやの縮小など年々厳しくなる経営環境に対応するため、新たな稼ぎ口を求めて社員の潜在能力を発揮させ、優秀な人材の獲得にもつなげたい考えだ。(林修太郎)

 「既存の組織からいかに脱却し、新しいものを求めるエネルギーを打ち出していくか。若い人にどんどん活躍してほしい」。三井住友フィナンシャルグループ(FG)の太田純社長は15日の決算発表会見でこう述べた。三井住友銀は来年1月から一般職を総合職に統合することを検討。これまで支店長などの管理職への登用は最短で入行から10年かかったが、最短8年、30歳で昇進できるようにして若手を積極的に評価する。

 三菱UFJ銀は今年度から、これまで勤続年数の比重が大きかった給与体系を変更し、能力重視で給与額を決めるようにした。みずほFGも社内公募制度を整備し、若手を中心に意欲ある従業員を新規事業など希望職種に配置する取り組みを行っている。

 背景には銀行をめぐる経営環境の変化がある。低金利で本業の国内貸し出し業務ではもうけが出ない上、ITと金融が融合したフィンテックが登場し、異業種が決済や送金など従来の銀行の食い扶持を狙う。ビッグデータの解析など先端技術を使いこなす稼げる人材を確保することが生き残りには急務だ。

 かつて銀行は新卒の大量一括採用や終身雇用、年功序列といった日本的雇用の牙城だったが、入行すれば安定・高収入が約束された時代は既に終わった。

 行員の労働意欲を向上させ、新時代に適応できる人材を育成・獲得できるか。第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは「人事改革は今後、旧来の銀行ビジネスが通用しなくなるのではないかという危機意識の表れだ」と指摘した。

最終更新:5/16(木) 15:54
産経新聞

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