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【米中貿易戦争】土壇場で中国が強硬に出た2つの理由―中国側は持久戦の構え

5/15(水) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「失われた20年」の再来恐れる

この協定がもととなり、日本は対日アクセス促進措置をとるなど、協定に従って次々に妥協を強いられていく。結局、協定が1996年7月に失効するまで、約20年もの時間がかかったのである。

中国経済がこのまま6%台成長を維持すれば、約10年で中国はGDP総額でアメリカを抜き、世界一のGDP大国に躍り出る。中国からすれば、日米半導体摩擦のように、協定に縛られ妥協を強いられていけば、成長の手足が縛られ身動きできなくなる。

その結果、すでに危険水域に入っている債務危機でバブルがはじける事態を招けば、日本同様「失われた20年」を繰り返すことになってしまう。米中合意文書はその引き金になりかねない。その懸念こそ、サインを踏みとどまらせたのである。

中国側は「持久戦」の構え

交渉決裂で、アメリカは「第3弾」の関税引き上げ発動に続き、全中国製品に高関税をかける「第4弾」の準備に入り、中国側も報復措置を発表した。高関税の応酬再開で、交渉の行方は見通せず、2021年の米大統領選にも影響を及ぼす可能性もでてきた。

前出の朱教授は中国側の今後の出方について、「北京は『持久戦』の構えです。10年スパンで、アメリカとの新冷戦を回避する戦略を貫く一方、戦術面では対抗か妥協かの二択ではなく『闘いながら妥協を求める』新方針で臨むでしょう。再選を目指すトランプ大統領の足元を、じっと睨んでいます」。

岡田充(おかだ・たかし):共同通信客員論説委員、桜美林大非常勤講師。共同通信時代、香港、モスクワ、台北各支局長などを歴任。「21世紀中国総研」で「海峡両岸論」を連載中。

岡田充 [共同通信客員論説委員]

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最終更新:5/15(水) 12:33
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