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寝たきりの老人が立ち上がる!? 「入れ歯」で奇跡を起こす! 83歳の歯科医の挑戦

5/15(水) 15:10配信

DANRO

「あること」をしたら、寝たきりだったおじいちゃんが立ち上がった! 無口だったおばあちゃんがしゃべり出した! その「あること」とは、入れ歯の修理です。

【画像】適した入れ歯に変えて顔貌が若返った92歳の女性

歯科の訪問診療が珍しかった1970年代から診療所を飛び出し、要介護となった高齢者の口の悩みを解決してきた歯科医師がいます。加藤歯科医院の加藤武彦・医院長(83歳)です。周りの理解を得られない中、孤軍奮闘しながら、ひとりで歯科の訪問診療の道を切り開いてきました。噛んで食べられる入れ歯で奇跡を起こす加藤先生の活動を追いました。(阿部伸)

悪態をつく高齢患者が治療後に変化

先生、何をされたんですか?ーー。訪問先で治療をした数日後、再び患者の自宅を訪れると、保健師からそう言われた加藤先生。件の患者はリハビリに誘っても拒否、介護職員には悪態をつく、そんな認知症患者でした。

ところが、加藤先生が治療をした翌日からは外出をし、リハビリにも参加するように。保健師たちはその変わりように驚き、先のように訊ねたのでした。加藤先生が行ったこと。それは入れ歯の修理です。

「落ちたり、浮き上がったりする総入れ歯をその日のうちに修理・改造して、噛んで食べられるようにし、現役時代の顔貌を再現する。それだけで鬱々とした気持ちが切り替わり、生活が変わってしまう患者さんは多いんです」(加藤先生)

通院できない患者にも歯科医療を

現在、日本人の死因の第3位は肺炎です。とりわけ、食べ物などが誤って気道内に入ることで発症する誤嚥性(ごえんせい)肺炎は高齢になるほど増加します。特に認知症を患っていると顕著です。その理由は口の中の清掃が十分に行われないことにあります。

そこで注目されているのが、歯科医師や歯科衛生士が通院できない患者のもとへと出向き、専門的なケアなどを行う「訪問歯科診療」です。

加藤先生が訪問診療を行うようになったのは40年以上も前のこと。当時は高齢者の口の健康に関心を抱く医療従事者はほとんどいませんでした。

「日本の高齢化が始まったのは1970年前後です。その頃から全身の機能が落ち、通院できなくなった患者さんが増え始めました。ところが歯医者が治療をするのは、診療室に通って来る患者だけ。どんな患者さんであっても診療するのが本当の歯科医療ではないでしょうか」

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最終更新:5/15(水) 15:10
DANRO

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