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“映画”とはなんだ!? スピルバーグvsキュアロン論争のゆくえ

5/15(水) 6:31配信

dmenu映画

【町田雪のLA発★ハリウッド試写通信 ♯29】
「LA発★ハリウッド試写通信」では、ロサンゼルス在住のライターが、最新映画の見どころやハリウッド事情など、LAならではの様々な情報をお届けします。

「何をもって、映画というのか?」 これは、ハリウッドがここ数年、そして特に今、直面している問いだ。映画館、テレビ、オンラインという鑑賞方法、フィルムかデジタルかという撮影手法など、さまざまなチョイスがある今、“映画”の定義づけが難しくなっている。

「映画は劇場で。劇場上映を優先しない作品は、オスカーの資格なし」という伝統主義のスティーヴン・スピルバーグと、「劇場公開されにくい外国語&低予算のインディ映画を、世界中でほぼ同時期に観てもらえるチャンスを作った配信サービスは、映画の大切な未来」という先進派のアルフォンソ・キュアロン。

ともに、世界が敬愛するフィルムメイカーであり、映画愛に溢れているからこその主張であるが、その立場は相反しているようにも見える。ここでは同論争をきっかけに、「映画とは何か?」という問いに向き合ってみたい。

ハリウッドが注目する論争の発端

いわゆる「スピルバーグVSキュアロン(正確に言うとNetflix)論争」の発端は、今年のアカデミー賞において、キュアロン監督によるNetflix配信映画『ROMA/ローマ』が有力候補となったことだ。同作は、約3週間の限定劇場公開を経たのち、Netflixを通じて190カ国で配信された。

これが、米映画興行で重要視されてきた「90日ウィンドウの慣習」(映画はまず、劇場で公開され、その後、約90日を経てから、DVDやオンライン配信などでリリースできるという流れ)に沿っていないことや、オスカーのノミネート資格を満たすための表面的リリースだと思われたことで、興行主や伝統主義の業界人の反発を呼んだ。

スピルバーグの言い分

米アカデミー協会の理事でもあるスピルバーグは、劇場用の映画と、それ以外のフォーマットの作品を区別するスタンスを公言。過去のインタビューでも「テレビ用に作られた作品は、テレビ映画。それがいい作品ならもちろん、エミー賞に値するが、アカデミー賞の対象ではない。ノミネート資格を満たすために、数カ所の劇場で1週間弱の上映を行った作品が、アカデミー賞のノミネート対象になるべきではない」と語っている。

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最終更新:5/15(水) 6:31
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