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ファーウェイの次は孔子学院か。アメリカの強まる「チャイナ狩り」留学生、研究者まで

5/15(水) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

中国を標的にした「チャイナ狩り」がアメリカ社会を覆っている。ファーウェイに続く新たな標的は、中国語教育の海外拠点「孔子学院」。

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国防総省は「中国スパイ活動の温床」としてパージ(排除)を開始し、この1年半で全米15大学が同学院を閉鎖した。貿易戦争に「ファーウェイ」排除……まるで米ソ冷戦時代の「赤(共産主義者)狩り」の再来を思わせるが、米中対立は「文化戦争」の様相も呈してきた。

FBI長官の証言を皮切りに

孔子学院は、海外での中国語・文化教育を目的に中国政府の支援でスタートした「ソフトパワー」の象徴的存在。2004年に韓国で開学したのを皮切りに、2018年末までに世界154国家・地域に548カ所に設立された。各地域にある大学と提携するケースが多い。日本では立命館大学をはじめ2005年から15大学が開いている。

国別でトップの数を抱えるアメリカでは、100以上の大学が設立、中国語需要の高まりを裏付ける。ただここ数年、同学院は「中国政府の意向が働き、学問の自由が保障されていない」などの批判が議会やメディアでくすぶっていた。

そんな「疑惑」に追い打ちをかけたのが、米連邦捜査局(FBI)のレイ長官が2018年2月の議会証言で、孔子学院の一部が親中派の育成やスパイ活動に利用されている疑いがあるとして「捜査対象になった」と発言。以来、パージの動きが次々に表面化してきた。

資金停止で15大学が閉鎖

特に政府主導の排除を鮮明にしたのが、2019年会計年度の国防権限法(2018年8月)。国防総省に対し、孔子学院を設立する大学への資金支援の停止を求める条項を盛り込んだ。

同法には、移動通信システム技術「5G」の構築から「ファーウェイ」排除するよう求める条項もあり、米中「デジタル冷戦」を主導するベースにもなっている。

ペンス副大統領が2018年10月に行った「米中新冷戦」演説の中身を具体化したような法律である。「ニューズウィーク」(電子版4月30日付)は「国防総省が、孔子学院設置の米大学への語学資金支援を停止へ」と題する記事で、この1年半でインディアナ大学、ミネソタ大学など少なくとも15大学が孔子学院を閉鎖したと伝えた。

15大学のひとつ、オレゴン大学の閉鎖決定の声明によると、2016、2017教育年度に国防総省から計380万ドル(約4億1800万円)の中国語教育支援資金を提供されたが、新たに申請した交換留学生資金を含む「340万ドルの支援申請が全て拒否されたため」と説明している。

同誌は、国防総省報道官のコメントとして「資金提供は国益にならないと判断した」「(孔子学院を設立している大学は)今後、語学支援資金を米国政府から受け取るか、それとも中国から受け取るかの判断を迫られる」と書く。近く新たに3校が閉鎖するという。

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最終更新:5/15(水) 12:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

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