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ファーウェイの次は孔子学院か。アメリカの強まる「チャイナ狩り」留学生、研究者まで

5/15(水) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

留学生、研究者も摘発の対象

中国留学生や研究者も「チャイナ狩り」の対象だ。国務省は2018年6月、先端的技術を専攻する中国人大学院生の査証(ビザ)の有効期限を5年から1年に短縮すると決定。「安全保障に関わる分野でのスパイ行為のリスクを抑え、知的財産権の侵害を防ぐことが目的」と説明している。

FBIは、中国人大学院生や研究者の電話の通話記録をチェックし、米中両国のソーシャルメディアのアカウントの調査も検討している。既に電話盗聴やPCへのハッキングまで行っていると報じられている(ロイター通信2018年11月29日)。

ほかにもある。米司法省は2018年9月、中国国営新華社通信と中国環球電視網に対し、「外国代理人登録法」への登録を義務付けると通告した。登録法は1938年、ナチス・ドイツの利益を代表するロビー活動を制限するための法律。かつてはナチス、今は中国と聞けば、対中警戒感がいかに高いかが分かる。

孔子学院にも登録を求める法案も上程された。アメリカで生活する中国人にとっては、さぞかし息苦しいことだろう。

「敵なければ生きられない」

「アメリカ人は危険な外敵に直面していると気づいた時には団結する。そして見よ!(外敵が)現れた。中国だ」

こう書くのは、ニューヨークタイムズのコラムニスト、デイビッド・ブルックス氏(ニューヨークタイムズ電子版2019年2月15日)。

アメリカは伝統的に「敵」がないと生きられないメンタリティを持つ国家・社会である。古くは西部劇における「インディアン」(先住民)。旧ソ連初の人工衛星「スプートニク1号」成功で受けたショック後の反ソ・キャンペーン。1980年代の日本バッシング(叩き)に「9-11」後のイスラム過激派―。

「敵」を挙げればきりはない。そして今は中国を「敵」とみなす空気が、米社会の隅々に浸透している。

中国が成長すれば、やがて「民主化」「自由化」するとみてきた「幻想」が裏切られた反動もあるだろう。ワシントンDCでは、中国製の地下鉄車両を導入すれば、「監視装置が埋め込まれスパイされかねない」という「バカ話」が新聞の大見出しになるほどだ。

アメリカで研究生活の経験がある朱建栄・東洋学園大教授は、

「孔子学院排除はメディアなど民間での話でした。アメリカ政府はむしろ抑えてきたが、ここにきて政府主導に変わったのが特徴。中国側も当面チャイナ・バッシングが続くとみており、中国叩きに対しても低姿勢で臨むとみています」

と話す。

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最終更新:5/15(水) 12:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

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