ここから本文です

【岡山から伝えたい】仮校舎まで通学1時間半、体育館が避難所 豪雨被害の真備町、様変わりした学校【再配信】

5/15(水) 18:56配信

山陽新聞デジタル

途切れる友達関係 保護者「転校しない方が良かったが…」

 災害発生後、真備町地区の全児童生徒の約3%に当たる57人(9月3日現在)が転校した。「浸水した場所での生活再建は不安」といった理由とともに、目立つのは「避難先から遠方にある学校に通学するのは、子どもの負担が大きい」との声だ。

 同地区から倉敷市中心部のみなし仮設住宅に移った会社員草地紀明さん(43)家族も、転校を決断した。川辺小5年(11)と2年(7)の娘2人を、共働きの草地さん夫婦が出勤時間に合わせて仮校舎行きの通学バス乗り場まで車で送迎した場合、待ち時間を含めた通学時間は片道2時間にも及ぶためだ。

 9月から仮設から一番近い市立小に徒歩で通っている娘たち。仲良しの友達との関係が途切れてしまうため、草地さんは「本当は転校しない方が良かったが…」と複雑な心境をのぞかせるが、「元気に通ってくれて、少し安心している」と前を向いた。

体育館の半分に段ボールベッド 避難所との共存模索

 一方、校舎が使える学校のうち、岡田、薗、二万の3小学校は避難所にもなっている。このため各校は2学期の始業式を、避難者が生活する体育館の一角や、代わりの音楽室などで実施。避難所との共存を模索しながらの学校生活をスタートさせた。

 「避難者の方も不自由な生活をされており、周囲への気遣いを大切に過ごしてほしい。当たり前の日常の大切さをかみしめながら前に進みましょう」。45人が避難し、体育館の半分を段ボールベッドで埋められた薗小での始業式。高津智子校長はステージから児童240人にこう呼び掛けた。式の間、静かに過ごした避難者からも「学校は子どもたちの場。チャイムの音が気になるが、慣れないと」(81歳男性)といった声が聞かれた。

 体育館に125人が身を寄せた岡田小は、各教室で放送による始業式を行った。2学期が始まるとともに、運動場にあった被災者向け食事の配給所は、近くの市施設に移転。運動場は、避難者の駐車場と、児童の運動スペースを半分ずつ確保し、安全のため境界に可動式ネットを設けた。二万小では、運動場に箭田小の仮設校舎を建設中。不審者対策として、避難者が外出する際はネームカードを携帯してもらい、警備員がチェックする取り組みを始めている。

 同市教委指導課は「不自由な面もあるが、いつもの学校生活に近い環境を提供できるよう、避難者の理解を得て、学校や保護者と一緒に頑張っていきたい」と話す。

 ◇

 この記事は山陽新聞社とYahoo!ニュースによる連携企画記事です。西日本豪雨の被害の実情と復興の過程を、地元メディアの目線から伝えます。

2/2ページ

最終更新:5/16(木) 13:00
山陽新聞デジタル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事